第53話 京都観光って、楽しいよね?



 ちなみに俺と澪さんが抱き合ってる間、柱の陰で、


菊「あの二人あそこでキスしてるんだけど。」


誠「周りに目があるのにイチャイチャできるって、もはや尊敬するよ。」


健「観光客が甘い空気に耐えれず皆居なくなったがな。」


菊「ここまでくると、もうハラスメントだよ。 イチャハラだよ。」


燈「イチャハラ、、、フフッ。」


菊「燈火さんはキツくないの?」


燈「全然? むしろ人目を気にせずに愛せる二人を見てて幸せよぉ。」


菊「そうだけど、、、」


 と、こんな感じで菊たちが話してたらしい






和「、、、あれ? 周りにいた人が居なくなってる。」


澪「もしかしなくても、私たち観光の邪魔しちゃいましたね。」


和「みたいだね、、、」


 何が起きてるか理解した


 たくさんいた観光客が全員下に降りてて、俺達だけになってる


和「ご、ごめんね。 こんな雰囲気になるのって苦手?」


澪「いえ、、、申し訳ない気持ちはありますが、正直に言って二人だけの空間でいることは幸せです。」


和「俺も幸せだよ、こんな素晴らしい景色の前でプロポーズできるなんて。」


澪「そうですよね、もう私たちは夫婦なんですよね。」


和「うん。 でもまだ成人してないし籍も入れてないから、婚約ってことになるのかな?」




 『婚約』


 不安がまたやってきてしまった


 まだ中学生である俺たちが、こんなにも早く生涯のパートナーを決めてよかったのだろうか、


 周りから揶揄されたりしないだろうか、


 澪さんに迷惑がかからないだろうか、、、



澪「和樹くん、今不安になってますね。」


和「、、、やっぱり凄いね、澪さんは。 できるだけ表情に出さないようにしたんだけど。」


 前回から学び、澪さんにも不安が伝播しないように表情に気をつけてた


 それでも澪さんは分かってしまうらしい



澪「和樹くん、修学旅行前にした約束を覚えていますか?」


和「『困ったらお互いに頼ること』、だったっけ。」


澪「そうです。 早速破ろうとしてましたよね、、、」


 笑顔の澪さんが怖い、、、


 いつもは優しい笑顔なんだけど、、、


和「ご、ごめん。 また一人で抱え込もうとしてた。」


澪「本当です! それに婚約は私たち二人の問題です。 抱え込んだら余計ダメですよ。 さぁ、何を考えていたのか話してください!」


 グッ、正論が胸に刺さる、、、


 怒り気味の澪さんは怖いので、大人しく話した


 今度こそ呆れてしまわないだろうか、、、



 でも、澪さんは笑みを浮かべて続けてくれた


澪「大丈夫ですよ。 私は和樹くんを愛していますから、後悔なんてするわけがありません。 それにラノベの中には幼稚園の頃に結婚の約束をする人たちもいるんですよ?」


和「そうだねw。」


 ここでユーモアを混ぜれるのも澪さんの凄いところだ


澪「私の両親も応援してくれていましたし、問題ありません。 でも確かに、公表すると騒ぎになる可能性がありますね。 では公表はしない方針で行きましょう。」


和「、、、澪さんは頼りになるなぁ。」


澪「だからといって頼り過ぎはダメですよ?」


和「勿論。」


 頼りすぎてヒモになるなんか絶対ダメだ


 澪さんの隣に相応しい男になろう


澪「なら構いません。」


和「じゃあ婚約は内緒、二人と家族だけの秘密ってことね。」


澪「はい、和樹くんからは何かありませんか?」


和「うん、大丈夫だよ。」


澪「では修学旅行に戻りましょうか。 最後は何処でしたっけ?」


和「あ、最後はーー












澪「ここが京都御所ですか、、、凄いです。」


和「一般公開の期限ギリギリの日で助かったよ、春と秋だけ開いてるから。」


澪「そうなんですね。」


和「普段は宮内庁の許可がないと入れないらしいから、ラッキーだったね。」


 どうも一般公開以外は許可を申請しないとダメらしい


澪「宮内庁!、、、本当に運が良かったんですね。」


和「だから目一杯楽しもう!」


澪「そうですね!」







健「おうおう、和樹ぃ!」


和「な、なんだよいきなり。」


誠「南禅寺ではよくもイチャイチャを見せつけてくれたね。」


菊「イチャハラで訴えるぞ!」


和・澪「「イチャハラってなんですか!?」」


 菊たちと合流した後、イチャハラ?ってやつをしてしまったみたいで絡んできた


 でも菊たちは菊たちなりに楽しんだみたいで、最後は笑っていた


 俺と澪さんだけが楽しんだ修学旅行にならなくて良かった、、、


 まだ行けてない観光地もあるし、できるならまた来たいな


 勿論澪さんと一緒にね










澪「、、、私もですよ、和樹くんっ♡」







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