第52話 南禅寺を知ってる人って少ないよね?
カフェで散々黒歴史を作った後は南禅寺に行った
澪「ここから見える桜も綺麗ですね!」
和「うん、燈火さんが推すはずだよ。」
そう、南禅寺は燈火さんの主張で選ばれた
清水寺より知っている人が少ないと思うが、この観光地も素晴らしい
そして、現在俺たちが立っているのは三門の楼上
和「石川五右衛門が『絶景かな』って言ったことで有名らしいよ。」
澪「本当ですね。 五右衛門さんも絶景だと言った理由がよく分かります!」
和「高さ22メートル。 この高さからなら、桜が咲いてなくても楽しめるだろうね。」
澪「、、、ばっちり調べてきてますね。」
和「? そりゃ勿論。 楽しむなら目一杯楽しまなきゃ。」
澪「、、、燈火さんが推したからって理由も入ってるんですか?」
和「え?」
澪「燈火さんだからたくさん調べたんですか? 和樹くんは燈火さんみたいな、大人な女性の方が好きなんですか?」
ちょっと!?
話が飛躍しすぎてる !
嫉妬っぽくなってるところも可愛いけれども!
和「そんなことない! 俺が好きなのは澪さんだよ。」
澪「、、、本当ですか? 私のこと、子供っぽいとか思ってないですよね?」
涙目でこちらを見つめてくる
う、う〜ん、、、
和「時々、可愛くはしゃいでる時はあるね。」
澪「なら!」
和「でも、そんなところも含めて好きなんだ。」
澪「!」
和「楽しくてはしゃいでる可愛いところも、困った時に頼りになる大人っぽいところも、全部まとめて澪さんが好きだよ。」
澪さんは素敵な人だ
可愛くて、綺麗で、頼りになって、包容力が合って
俺にはもったいないくらいに
でも、そんな俺を澪さんは好いてくれている
どんな形でその好意に応えればいいのか、まだ分からない
だからせめて、自分もあなたのことが好きだという想いを言葉に乗せる
勿論恥ずかしいよ
でも、伝えなきゃ、伝わらないんだ
過去の自分みたいになりたくない
澪さんで後悔なんてしたくない
だから、、、
和「澪さん、俺はあなたが好きだ。 ずっと一緒に居たいくらいに。」
澪「! それは、、、プロポーズということですか?」
和「そうだよ。 俺たちはまだ中学生だし、将来のこともどうなるか分からない。 婚約指輪もまだ準備できない。」
だけど、、、
和「だけど、それくらい澪さんが好きなんだ。 出会って元気づけてくれた時から、ずっと。」
これが俺の想いだ
澪「、、、私も和樹くんが好きです。 おかしくなって嫉妬しちゃうくらいに。」
自覚はあったのね、、、
澪「私を、幸せにしてくれますか?」
この前、秀和さんと楓さんには『幸せにする努力を続ける』と言った
幸せにできる確証がなかったから
、、、いや、それが理由じゃないな
俺に覚悟ができてなかったんだ
澪さんみたいな素敵な人の隣に立つことの
でも、一緒に住み始めて、デートして、彼女の色々なことを知って、もっと好きになった
それだけの時間と経験があれば、覚悟なんてすっかり出来てしまった
和「うん、幸せにするよ。」
そういえば、恋人になる時の告白は澪さんからだったな
なら、今回は俺が言わなきゃ
和「俺と、結婚してください。」
覚悟と想いを胸に、伝える
澪「、、、はい!」
透き通る綺麗な声で、でもはっきりと伝わる声で、言ってくれた
和「泣いたら可愛い笑顔が台無しになっちゃうよ、、、」
澪さんは泣いてる顔も美しいけれども
澪「す、すみません。 嬉しすぎて、、、」
待ってくれそんなの俺も嬉しくなっちゃうから!
澪「でも、こんな時は旦那様が優しく抱いてくれるんでしょう?」
泣き顔から一転、笑みを浮かべながら、からかってくる
、、、しょうがないなぁ
和「ほら、おいで。」
そう言って腕を広げる
少し仕返しというか、澪さんから来させよう
澪「うぅ、、、」
顔を赤くしてるのも可愛い
そんな事を考えてたら、ゆっくり俺の胸の中に入ってきた
、、、腕を回して優しく抱きしめる
、、、暖かさと柔らかさを感じる
、、、愛情も優しさも、不安も希望も、お互いに伝えあっていく
、、、胸の中にいる人が、ただただ愛おしい
澪「和樹くん、愛してます。」
和「澪さん、愛してるよ。」
このキスは、今までで一番、甘かった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます