第50話 恋人があざと可愛いのも、良いよね?



和「京都だ〜!」


 二日目は班で京都散策


 俺の班は澪さんの班と合同で活動する


 お互いに何処に行くか意見が衝突したことも合ったけど、なんとかまとめることが出来た


 結果、お互いの班から行きたい場所を2箇所決め、それを合わせることとした


 いやぁ、とにかく澪さんと一緒に回れて良かった!




澪「和樹くん、今日も楽しそうですね。」


和「澪さんこそワクワクしてたでしょ。」


 俺でも分かるくらいに楽しそうにしていた


澪「バレましたか、、、京都は初めてなので内心ワクワクしてます。」


 へぇ〜、京都は初めてなんだ


和「じゃあ、俺も初めてだし一緒に楽しもう!」


澪「はい!」




健「、、、なぁ、黒田さん。」


菊「なんだい?」


健「どうしてあの二人は開始早々イチャイチャできるのかな?」


菊「さぁ? 愛の力じゃない?」


誠「投げやりじゃないですか、、、」


菊「いい? これからあの二人はもっとイチャイチャしだすから、これくらいで負けてたらダメだよ。 あの子達にも楽しんでもらいたいけど、私たちも楽しまなきゃいけないんだから。」


健・誠「「うす、、、」」



燈「なら、いい方法があるわよぉ。」


菊「いい方法?」


燈「そう、あの二人を自然に別行動させるのよぉ。 汐入くんがいるなら澪ちゃんも大丈夫だろうしぃ、あの二人も私たちも自由に楽しめて一石二鳥よぉ。」


誠「それ良いですね。」


燈「でも万が一のことがあるから一緒の観光地を回るようにした方が良いわねぇ。」


菊「じゃあ、一緒の観光地を回るけど現地では別行動って事で良いかな?」


健「それでいこう、、、これ以上は甘さにやられて死んじゃうよ。」




 おい! そこの男女二人組!


 内緒話のつもりでもさっきから聞こえてるぞ!!


澪「あはは、、、気を回してくれるみたいですね。」


 澪さんも苦笑いだよ


 まぁでもここは敢えて、、、


和「俺達が皆を邪魔したらいけないし、話に乗らせてもらおうか。」


澪「それも良いかもですね。」



 、、、あれ? 


 落ち着いて考えてみれば、こんな美少女とふたりきりで京都を回る!?


 緊張してきた、、、


 、、、まぁ、今回もそんな事考えてたら澪さんが察知するわけで、


澪「和樹くん、今緊張してますよね。」


和「どうしてバレたのか、、、」


澪「それは勿論分かりますよ。」


 澪さんに隠し事はできなさそうだ、、、


澪「でも、カッコいいエスコートをお願いしますね?」


 腰を少し折り、上目遣いで頬に指を添えながら軽く挑発してくる


 あざといポーズだけど、澪さんがするとそんな雰囲気が全くしなくてむしろ可愛すぎてやる気しか出てこない


 何処でこんなテクニックを学んできたのやら、、、


和「まかせて。 京都は結構調べてきたから。」


澪「それは期待できますね。」


和「うん、期待してて。 絶対楽しませてみせるよ。」


 そう決意して初めの観光地へ向かう










澪「、、、結構高いですね。」


和「でしょ? 12メートルで、人間が一番怖さを感じる高さなんだって。」


 驚く澪さんと解説する俺


 立っているのはここ清水の舞台!


 ふたりきりなのはあいつらの予定通り、『カップルを楽しませてあげたい』なんて理由で別行動にされたから


 全然自然じゃなかったがな


 むしろ本当の理由を半分言ってるよ!



澪「下に行ってみても良いですか? あの滝が気になって、、、」


和「良いよ。 行ってみようか。」


 本堂を楽しみ、下に降りてみる




澪「降りてみたは良いものの、ここも人が多いですね。 何故ですか?」


 俺の予想通り、行列ができていた


和「あの滝は『音羽の滝』って言って、飲むとご利益があるらしい。 右から長寿、恋愛成就、学業にあやかれるんだとか。」


澪「なら、私たちは真ん中は飲まなくてもいいですね。 もう叶っているんですから。」


和「、、、澪さんも恥ずかしいこと言うようになったね。」


澪「フフ、どうです? ドキッとしました?」


和「触ってみてよ。 もう心臓バクバク。」


 澪さんの手を握り、俺の胸を触らせる


澪「ひゃ!」


和「どう? 感じた?」


澪「感じましたが、、、その、手が、、、」


和「手?」


 、、、、、、あ。


 あぁああぁっぁあああ!!


 て、手が柔らかくて温かいぃぃいいぃ!?







 行列の順番が回ってくる頃には二人共落ち着いていた


澪「じゃ、じゃあ長寿の祈願で良いですか。」


和「う、うん。」


 嘘ですすみませんでした全然落ち着いてません


 澪さんが柄杓を手で持って水をすくう


 、、、手?


 ヤバいまた思い出しそう


澪「あはは、、、ハグも終えているのに手を握って焦るなんて不思議ですね、私たち。」


和「かもね。 っていうかあの時の俺はどうかしてた、ごめん。 澪さんと回れてテンションがおかしくなってた。」


澪「本当ですよ! いきなり手を掴んで胸に引き寄せるなんて大胆です! 、、、こっちがドキドキしちゃうじゃないですか、、、」


 ん? 観光客の声で最後が上手く聞こえなかった


 まぁ言いづらそうにしてたし、聞こえなくて良かったのかも




 そんなこんなで色々あって、お土産も買い終えたので菊たちと合流した


 皆も楽しんでたみたいだし、結果オーライなの、かな?

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