第49話 番外編&澪視点③
<女将・若女将の会話>
女将「若女将、あそこにずっといる子、可愛くない?」
若女将「ですね、、、スカウトしちゃいます?」
女将「やめときなさいよ。 あの子まだ中学生よ。」
若女将「そうですか、残念ですね、、、」
若女将「女将、さっきの子ナンパされてないですか?」
女将「ナンパされてるわね。 まだ手は出してないけど、これ以上ひどくなったら注意しに行きましょう。」
若女将「女将、彼氏っぽい子が助けに来ましたよ。」
女将「ホントね。 彼氏くん、カッコいいわぁ。」
若女将「オバサンが中学生狙ったらダメですよ?」
女将「だれがオバサンよ!」
若女将「女将、彼氏くんが彼女ちゃんを抱いてますよ。」
女将「青春って良いわねぇ。」
若女将「女将、今度は彼女ちゃんが彼氏くんを抱いてますよ。」
女将「あら、彼女ちゃんが叫びそうになって彼氏くんが抑えて、、、彼女ちゃん、顔が真っ赤になっちゃったわね。」
若女将「周りに人がいますからね。」
女将「青春って良いわねぇ。」
若女将「女将、さっきのカップルが別れを名残惜しそうにしてますよ。」
女将「あらあら、どっちも相手をチラチラ見て、、、お互いのことが本当に好きなのねぇ。」
若女将「、、、女将。」
女将「、、、そうね。」
女将・若女将「「学生に戻りたいわぁ。」」
<澪視点>
澪「そろそろ寝ましょうか。」
菊「そうだね。 澪さんも今日大変だったでしょ?」
はい? 何がでしょうか?
燈「ナンパに合ってたもんねぇ。」
澪「見てたんですか、燈火さん!?」
燈「途中からよぉ。 確か、汐入くんにしなだれかかってるところかしらねぇ。」
澪「しなだれかかってたなんて言わないでください!」
菊「いやぁ、あれはもう最高級のイチャイチャだったね。」
澪「菊さんまで、、、」
そう、先程私はナンパに絡まれていました
いつもなら躱せるのですが、あのときの二人は特にしつこくてとても怖かったです
でも、和樹くんが助けに来てくれました
しかもナンパ二人を部屋に戻し、私だけでなく皆も助けていました
カッコいいと思うと同時に、和樹くんの変化に驚きました
守りたいと思わせてくれる人から、守ってくれる人に変わったことに
でも、それは私の気のせいだったそうです
和樹くんが言うには、彼は変わっていないとのことでした
そして私が彼を追い詰めていたと知りました
それはさっきとは違う意味で私を驚かせました
私のせいで、私のせいで和樹くんを傷つけていて、私は私が嫌いになりました
でも、和樹くんは私のおかげで頑張れていると言ってくれました
それはあの時の私が一番欲しかった言葉です
彼は私がほしい言葉をほしい時に言ってくれる
もっと好きになって気持ちが抑えられず、彼を心のままに抱きしめました
、、、周りの目を気にせず、、、
菊「それで、最近和樹とどうなんだい?」
燈「あ、私も気になるわぁ。」
澪「和樹くんと、ですか、、、」
では、話しさせていただきましょう
和樹くんがどれだけカッコいいのかを!
菊「も、もう十分だから、、、」
燈「あの澪ちゃんがここまで骨抜きにされるとはねぇ。」
? 別に特別なことは言ってないと思うのですが
燈「確かに汐入くんはカッコいいよねぇ。 私も狙っちゃおうかしらぁ。」
澪「だ、ダメです! 和樹くんは私のですよ!」
和樹くんは他の女の子には渡しません!
燈「冗談よぉ。 それに私まで汐入くんを好きになっちゃったら、紅明中の三大美女全員が彼を好きになってることになるわよぉ。」
どうも菊さんが和樹くんを好きだったことは燈火さんも知っていたようです
いや、しかし今はそのことよりも、、、
澪「紅明中の、三大美女?」
菊「え? 澪さん知らなかったの? 『雪』の澪さん、『月』の燈火さん、『花』の私で、『雪月花』なんて呼ばれてるんだよ。」
澪「なんですかそれ!?」
そんなものがあったなんて、、、知りませんでした
澪「でもたしかに、燈火さんは月みたいに美しくて、菊さんは花みたいに可愛いですよね。」
菊「いや、澪さんも十二分に綺麗だから。」
燈「そうよぉ。 澪ちゃんも綺麗なんだから自信持ちなさいねぇ。」
澪「、、、ありがとうございます。」
改めて言われると嬉しいですね
でも、和樹くんに言われるのが一番嬉しいです
燈「そ、こ、で、そんな澪ちゃんが汐入くんをもっと好きにさせるために、色々なテクニックを教えてあげるわぁ。」
澪「テ、テクニック!?」
燈「そうよぉ。 まずは上目遣いでーー」
その後、燈火さんから色々教えていただきました
刺激的なものは流石にできませんが、幾つかは試してみたい技がありました
私をもっと好きになってもらうために、和樹くんの赤い顔を見るために明日は少し頑張ってみようかな、と思います
、、、喜んでくれたら、嬉しいですね
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