第48話 恋バナって始めたら目が覚めるよね?




和「ど、どうしたの!?」


澪「だ、だって、和樹くんの気持ちを分かっていなかった自分に嫌気が差して、、、」


和「い、一旦落ち着こう?」


 澪さんが落ち着くまでまたしばらくかかった






和「今度こそ落ち着いた?」


澪「はい、大丈夫です。」


 まだ少し赤い目で俺を見つめながら続ける



澪「和樹くんの気持ちを分かっていなくてごめんなさい。」


和「そ、そんなことない! これこそ澪さんが謝ることじゃないよ。」


澪「それでも謝らせてください! 和樹くんの一番近くにいたのは私なのに気づいていなかったなんて、、、」


和「落ち込むことじゃないよ、、、俺だってさっき気づいたんだから。」


 そう、澪さんと楽しく過ごすために無意識に気づかないようにしていただけなんだ


 澪さんが凄すぎて、俺なんかじゃつり合わないって思ってたことに





澪「和樹くんの気持ちがよく伝わりました。 なので少し目を瞑ってもらっても良いですか?」


和「? 良いけど、、、」


 あれ? これもなんかデジャブ、、、



 と思ったら頭から抱かれた


澪「和樹くん、ありがとうございます。 私のためにそんなに思ってくださって。」


 耳元で囁かれる


澪「気持ちに気付けなかった私にできるのはこれくらいです、、、悩んだらいつでも胸を貸しますから、甘えてください。」


 澪さんが聖母に見える、、、


 うん、嬉しいよ? 嬉しいんだけどね?


和「あの、、、ここ旅館のロビー、、、」


澪「!? きっ、きゃムグッ」


 だ、ダメ!


 ここは公共の場だから大きく叫ぶのはダメだ!


 慌てて澪さんの口を抑える


 澪さんも気づいたのか口を閉じ、『手を離してもいいですよ』とサインを送ってきた


 手を離すと、真っ赤になった澪さんの顔があらわになった


 まぁ、周りからの視線が凄いからね


 かく言う俺も内心超恥ずかしいです、ハイ



澪「ごっ、ごめんなさいっ。 こんなところで、、、」


和「いや、澪さんの気持ちは伝わったから。 またいつでも甘えさせてもらうね。」


澪「はいっ!」


 いい笑顔でそう応えてくれた


 今にも甘えたいぜ






澪「あ、もうそろそろ消灯時間ですね。 急いで帰りましょう。」


 名残惜しいけどもう時間だ


 消灯時間を過ぎて廊下を歩いてたら、先生からの指導が入ってしまう


和「だね。 今日も色々あったから疲れたでしょ。 しっかり休んでね?」


澪「はい。 和樹くんも、おやすみなさい。」


和「おやすみなさい、また明日。」


澪「はい、また明日。」



 こうして俺たちは自分たちの部屋に戻った








 部屋に戻ると、友が布団を敷いてくれていた


健「遅いぞ。」


誠「あ、和樹の分の布団も敷いといたから。」


和「助かる。」






 消灯時間になり寝ようとしたのだが、いきなり二人共こっちに来たんだが?


和「何だよ。」


健「おいおい、修学旅行中、ホテルの夜にすることって言ったら一つしか無いだろ?」


誠「さぁ、恋バナをしようか。」


 来たか、この時間が


 と言っても俺はもう眠いから寝たいんだけど、、、



健「あっちょっと和樹寝ようとすんな!」


和「疲れてて眠いんだよ、、、」


誠「じゃあ、せめて三条さんとどんな感じか教えてくれよ。」


健「あぁ、それ言ったら寝ていいからさ、な?」


和「しょうがねぇなぁ。」


 言ってやるよ、澪さんがどれだけ可愛いのかをな!!







誠「ちょ、もうギブ、、、」


健「もう寝させてくれ、、、」


和「何いってんだよ二人共、まだ30分しか話してないぞ?」


 たった30分澪さんの可愛さを言っただけでこいつらは、、、


健「内容が甘すぎるんだよ!」


誠「あぁ、新学期が始まった頃の和樹からは想像もできない姿だね。」


和「何言ってんだよ、俺は何も変わってねぇぞ。」


誠「いやいや、十分変わったから。」


和「? まぁお前から見ればそうなんじゃねぇの?」


 どうでもいいか


和「それより澪さんの可愛さについてもっと話したいんだが。」


 できればあと30分くらい


健・誠「「ダメ」」


 なんでだよ、、、せっかく興が乗ってきたのに


 まぁ、俺も寝たいから良いか






 少し経ってもあいつらはまだ起きてるみたいで、話し声が聞こえてくる


健「なぁ、明日の京都巡り楽しみだよな。」


誠「うん。 色々回れるから楽しみだよ。」


健「ちげーよ。 紅明中の三大美女と一緒に活動できるんだぜ?」


誠「あぁ、聞いたことはあるよ。」


 え? なにそれ聞いたこと無いんだけど


誠「そう。 雪の三条澪さん、月の皐月燈火さん、花の黒田菊さん。 この三人で紅明中の三大美女『雪月花』って呼ばれてるんだよ。」


 たかが公立中学校にそんなのあるのかよ!?


 言われてみれば、澪さんは言わずとも燈火さんは会ってみるとかなり整っている顔立ちをしている印象を受けた


 菊も客観的に見れば良いんだろうけども、、、幼馴染だし、可愛いとかは思わないな


 すまんな、菊




 まぁ、こいつらは放って置いて俺はもう寝よう


 おやすみ、なさ、い、、、、、










ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー<By GameMan>


 次回は番外編として、三条澪の班の恋バナと、ロビーでのやり取りを見ていた女将と若女将の会話を書いてみます


 こちらも楽しんでいただければ、幸いです



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