第41話 恋人とカフェで過ごすって良いよね?

和「澪さん、もうすぐで着くよ。 起きて。」


澪「う〜ん、、、まだ寝たいです、、、」


和「ダメだよ、、、早く起きないと乗り過ごしちゃう。」


澪「はいっ!」


 、、、やっと起きてくれた、、、



 澪さんが俺の肩で眠っていた時間も過ぎ、目的地の一駅前に澪さんを起こしたら、ここでも弱くてなかなか起きなかった


 それでもなんとか起こして駅を降りると、その頃には澪さんの目はしっかり覚めていた



澪「それでは和樹くん、カフェに向かいましょう。」


 そう言って俺たちは向かう


 澪さんは俺が見て分かるほどウキウキしていた


和「澪さん、楽しそうだね。」


澪「当然です! 初めての和樹くんとのデートですから。」


和「付き合い始めてからデートってのも珍しいのかな、、、」


澪「そんな事ないですよ。 逆に言えば、デートをしなくてもお互いを十分に知ることができているのですから。」


 確かに、、、、、そんな考え方もあるんだな




澪「あ、着きました! 此処がお父さんの教えてくれた店舗ですね。」


和「おぉ、、、」


 外装はザ・カフェって感じだな


 今日のオススメはっと、、、店主が淹れるカフェオレね


澪「それじゃあ、入りましょうか。」


 俺たちは入り、カウンター席に座る



 改めてあたりを見渡してみる、、、、、オシャレだな


 椅子、机も良い調度品だし、BGMも心地よい音量で流れていく


和「いいお店だね、、、」


澪「はい、、、少し両親に申し訳ないですね。 先に行ってしまって。」


 本来、秀和さんと楓さんが行っていたお店だからだ


和「そうだね。 でも、その代わりにオススメの料理や飲物を教えてあげたら良いんじゃない?」


澪「ですね、、、なら、先に注文しておきましょう。」


和「今日のオススメはカフェオレらしいよ。」


澪「ありがとうございます。 そんなの何処に書いてあったんですか?」


和「入り口の看板にね。 分かりにくいところにあったから、気づかなくてもしょうがないよ。」


澪「むぅ、何故か釈然としません、、、」


和「まぁまぁ、落ち着いて。 あ、注文よろしいですか?」


 そう言って店員さんに注文する


 俺はカフェオレとロールケーキ

 ロールケーキもオススメに書いてあった


 澪さんはカフェオレと、苺のタルト



和「苺のタルト? ロールケーキ頼まなくてもいいの?」


澪「好物だったので、、、でも大丈夫です。 優しい和樹くんなら分けてくれますよね?」


 少し笑いながら上目遣いで聞いてくる


 これはしてやられたな、、、


和「了解。 でも、澪さんも少し分けてよね。」


澪「勿論です。 二人でシェアしましょう。」


 二人でシェア、、、デートっぽいな




 10分くらい待ったら届いた


和「おぉ、、、美味しそうですね。」


 カフェオレはコーヒーと牛乳の色がちょうど良く混ざっていて見栄えもよく、香りも良い

 少し生クリームを乗せてくれているところが店主の気遣いを感じる


 ロールケーキはクリーム多めで食べごたえがありそうだ

 タルトも大きい苺が乗っていて、食欲をそそられる


澪「そうですね、では、いただきましょうか。」


和「はい、いただきます。」


澪「いただきます。」


 そうして二人で食べ始める



和「ん〜〜♪ 甘くて美味しい!」


澪「タルトも最高です! 一口ずつ分けませんか?」


和「いいね。」


澪「では、どうぞ。」


 え?


 そんなスプーンを空中に浮かせてどうし、、、は!?


 これはいわゆる『あ~ん』ってやつ!?


 、、、結構恥ずかしい


澪「どうしたんですか? 恋人同士なので当たり前のことですよ?」


 珍しくニヤニヤしながら急かしてくる


 、、、覚悟を決めるか、、、


和「あ、あ~ん。」


澪「はい、あ~ん♪」


 差し出されたスプーンに乗ったタルトを食べる


 うん、こちらも美味しい


 カスタードの甘さが苺の酸味とマッチして、飽きさせない味だな


澪「美味しいですよね?」


和「うん、美味しいよ、、、澪さんもどうぞ?」


澪「ふぇ?」


 俺はロールケーキをスプーンで取り、澪さんに『あ~ん』をする


和「澪さんにもロールケーキ食べてほしいよ。 もしかして、食べれないなんてことは無いよね?」


 少しからかってみる


澪「むぅ、分かりました。 あ~ん。」


和「あ~ん。」


 パクっと澪さんがスプーンを口に入れる


 可愛い


澪「あ、本当ですね。 丁度いい甘さで美味しいです。 両親へのお土産に良さそうです。」


和「そうだね。 会計の時にテイクアウトできるか聞いてみよう。」






 そうして、会計を終えた俺たちは秀和さんたちへのお土産としてロールケーキを購入し、帰路につくのだった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る