第40話 恋人が服を選んでくれるって良いよね?

恭「じゃあまず私からね。 このカゴに入ってる服を着たら出てきてちょうだい。」


 そう言ってカゴを渡してきた


 断れるはずもなく、俺は大人しく着替え始めた





恭「じゃあ、私が選んだ服で和樹くんが登場で〜す!」


 声に合わせて試着室から出る


 俺の服装は控えめに言っておしゃれだ


 ボトムスはゆったりとしたズボンにも関わらず、柄がとても良くて女っぽさを感じさせない


 トップスは普通のTシャツなのは変わらないが、カッコいいジャケットを羽織っている


 凄いな、、、こんな俺が一気にカッコよくなった気がする、、、




澪「くっ、確かに素晴らしいセンスです。 おしゃれでかっこいいコーデですね、、、」


 澪さんが悔しそうにするってことは、やはり凄い服装なんだろう


澪「、、、でも、私の方が和樹くんをよく知っています! さぁ和樹くん、次はこの服です!」


 そう言って澪さんもカゴを渡してきた





 澪さんから渡された服を着て試着室を出る


恭「へぇ、澪ちゃん、かなりやるわね、、、」


 恭子さんをそう言わせる俺の服装は、やっぱりおしゃれだった


 先程の服装とは逆で、ボトムスがデニムなのは変わらないが、トップスがゆったりとした服だった


 七分袖って言うのかな? それぐらいの長さの袖のシャツに、これまたおしゃれなセーターを着ている


 セーターはそこまで袖がなく、ネックがV型になっていて春でも快適で、俺の好みに合っている




和「凄い、、、ありがとう澪さん!」


澪「喜んでくださって、こちらも嬉しいです。」


恭「あ~、負けちゃったわね。 私もまだまだ勉強不足か、、、、、澪ちゃん、また今度勝負してくれる? また和樹くんの着せ替えで。」


澪「構いませんよ。」


和「いや、俺は了承してないんですが、、、」


 ここでも俺の入る余地はないまま話が進んでしまっていた




恭「それで和樹くん、そのまま着て行く?」


和「はい。」


恭「OK。 それじゃ、会計するわね、、、っと。」



 値段が高いかと思ったら、リーズナブルで助かった


 おまけにコーデされ済みだから、かなりお買い得な買い物をした気分だ





恭「それじゃ、またいらっしゃい。」


澪「はい、お世話になりました。」


和「今日はありがとうございました。」


恭「デート、楽しんで行ってらっしゃい。」



 服を買い、やっと隣町へ向かう


澪「どうですか? 納得しましたか?」


和「勿論だよ。 選んでくれて本当にありがとう。」


 自信を無くしてたけど、これなら澪さんの隣でも堂々と歩けそうだ


澪「こちらこそ嬉しいです。 和樹くんが喜んでくれて。」


 そういう澪さんの笑顔は最高に可愛かった、、、




 電車に乗り、俺たちは隣町へ向かう


 すると、途中で澪さんが肩に寄りかかってきた


 、、、平然と話してるが、内心ドキドキしまくりでした、ハイ


澪「すみません、、、昨日あまり眠れなくて。」


 眠そうな声でそう言った


 、、、澪さんの方が眠れなかったのね、、、



澪「駅に到着するまでの間、少し、、、このままでも良いですか?」


和「良いよ。 目的地の一駅前になったら起こすから休んでて。」


澪「ありがとうございます、、、ではお言葉に甘えて、、、、、」


 そう言ったのをきっかけに、コテンと眠ってしまった



 、、、肩に温かい熱が! かわいい寝顔が!


 、、、、、、俺を信頼してくれている気持ちが伝わってきて、電車に揺られる何気ない時間が、澪さんと居るだけで心地よい時間に変わっている


 起こすのがもったいないくらいに





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