第29話 友達のイジりがウザいときってあるよね?




 お互いに親へ電話をして、内容を確認しあった


 澪さんは秀和さんに、俺が了承したことを伝えた


 俺は母さんに、澪さんの家に住むことを伝えた


 そして、母さんが澪さんに家に来ることを望んでいることを澪さんに伝え、それを了承してくれた


澪「取り敢えずは落ち着きましたね。」


和「はい。 一時はどうなることかと思いましたが、澪さんの対応が早くて助かりました。 流石ですね!」


澪「いえいえ、和樹くんが昨日泊まったときから考えていたことですので。」


 え? それって見られることを狙ってやったってこと?


澪「さぁ? どうでしょうね?」


 わからない


 う〜む、これは澪さんには一生叶わなそうだな


和「これから澪さんの尻に敷かれる未来が見える、、、」


澪「そんなことないですよ、、、、、、和樹くんも時々仕返しするじゃないですか、、、」


 ん? また最後が聞き取れなかった


 まぁ大丈夫だろう。 言いたくないことだって澪さんにもあるだろうし



澪「あ! もう昼休みが終わりますね。 ではまた放課後に一緒に帰りましょう。」


和「良いね。 それじゃ、また。」


 そうして俺たちは自分たちの教室に帰り、再び砲弾のような視線を浴びるのだった


 コレももう少しの辛抱だ









 放課後になり、澪さんと一緒に帰るために3組へ向かう


 予想通りというか、ジロジロ見られたが気にせず進んだ


 澪さんはちょうど菊に質問攻めにあっているところだった


菊「あれ? 和樹じゃないか。 どうだい、三条さんとの新婚生活は?」


和「まだ結婚じゃねぇっての。」


菊「『まだ』? それは結婚を視野に入れているということかな?」


和「、、、、、、、、」


 こいつの絡みがウザい


 まぁ、あの出来事の後だし、遠慮する必要がなくなったんだろうなぁ


 ちなみに澪さんは菊の言葉で顔を真っ赤にしていた


 カワイイ




菊「冗談はコレくらいにして、実際どうなんだい?」


和「、、、ご両親に挨拶して、成り行きで泊まっただけだ。」


 こいつにもまだ住む予定のことは言わないほうが良いな


 絶対イジられる


菊「ふむふむ、ご両親には挨拶済みと。 で、どうだった? 何かあったのかい? 若い男女がひとつ屋根の下だぞ。」


和「何もねえよ! 俺たちまだ中学生だぜ!」


澪「そうです! お巫山戯もやりすぎですよ!」


 あ、澪さんが怒った


菊「ご、ごめんなさい三条さん! やりすぎました!」


 菊が急に大人しくなったな。


 まぁ、一度叱られて涙目になってたし、トラウマなんだろう










 そんなこんなで、俺たちは帰った菊と別れて俺の家へ向かっていた


和「澪さん、大丈夫? 緊張とかしてない?」


 こころなしか澪さんの顔がいつもよりも白い


澪「緊張していないと言えば嘘になりますが、落ち着けています。 和樹くんの親御さんなら、きっと優しいはずなので。」


 やっぱり凄いな、澪さんは


 けれどもここは、、、


和「大丈夫だよ、澪さん。 俺が付いてるから。」



 パッと顔を明るくして、澪さんがこう答えてくれた


澪「ありがとうございます! 和樹くん!」












 澪さんと付き合っていく上で、これからも困難にぶつかるかも知れない


 そんなときに澪さんを守りきれる自信はまだ完璧には無いけれど、


 澪さんと一緒なら、乗り越えられる気がするんだ

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