第26話 恋人とベッドで話すのって憧れるよね?




 俺たちは部屋に入り、同じベッドに座った後、しばらく何も喋らなかった



 、、、、気不味い、、、、



和「あの、秀和さんたちはああ言っていましたけど、無理する必要はないですよ? 何だったら俺が床で『それはダメです』


澪「和樹くんには今日色々起こりましたから、とてもお疲れのはずです。 こういう時にこそしっかり休まないと。」


和「それはそうだけど、、、」


 本当に、今日は色々あった


 精神的に疲れているし、このままではまた倒れてしまうなんてことも、、、



和「うん、そうだね。 じゃあ、遠慮なく休ませてもらうよ。」


澪「それが良いです。 それに、私は無理なんかしていませんよ?」


 え?


 そうなの?


澪「気不味いとは感じましたが、決して無理はしていません。 だって和樹くんなら約束は守ってくれるでしょう?」


 ああ、もう!


 そんなにまっすぐ信じられたら応えるしかないじゃないか!


和「そうだね、、、、もう遅いし寝ようか。」


澪「そうしましょう。」


 そう言いながら俺たちはベッドへ入った







澪「和樹くん、まだ起きていますか?」


 明かりを消して15分くらいたった後、澪さんが話しかけてきた


和「、、、うん。 まだ起きてる。」


澪「、、、まだ眠れませんか?」


和「、、、そうだね。 まだ少し、落ち着かないかな。」


澪「なら、あと少しだけ話しませんか?」


和「いいよ。」


 どうせこのままいっても眠れなかったところだ


 澪さんと話して落ち着くほうが良い






澪「、、、今日は本当にありがとうございます。 私と付き合ってくれるだけでなく、家に来てほしいという我儘を聞いてくださって。」


和「いえいえ、今日だけで一年分の運気を使ったような気分ですよ。 こちらこそ、澪さんと付き合えたこと、家に招待してくれたこと、嬉しかったです。」


 これは本心だ


 最高な美人と付き合えるだけでなく、ご両親にも挨拶済みなんだから


澪「、、、、、、、本当は少し、怖かったんです。 『振られたらどうしよう』『呆れられたらどうしよう』なんて考えて、、、」


 澪さんも怖かったのか、、、



和「俺もそんな感じだよ。 『澪さんに嫌われたら』『ご両親に怒られたら』なんてネガティブな事を考えて、、、結果としては上手くいってよかったけどね。」


澪「そうですね。 まぁ、私も交際初日で同じベッドに寝るとは思いませんでしたが。」


 やめて、言わないで


 余計意識しちゃうから


 耳元で聞こえる澪さんの声とか、隣から漂ってくるシャンプーの良い香りとか


 おまけに同じ布団を被っているから、お互いの熱が相手にも伝わるわけで、、、





和「、、、澪さんが今日言ってくれた言葉、本当に嬉しかったです。 自分を信じられなかった俺を、澪さんが信じてくれると言ってくれて、本当に救われたんです。」 


 澪さんが信じてくれたからこそ俺も変わり始められた


和「頼りないこんな自分ですが、澪さんを幸せにするために頑張り続けます。」




澪「、、、ありがとうございます。」


 澪さんの方をちらっと見ると、枕に顔をうずめていた


和「ど、どうしたんですか? 澪さん。」


澪「すみません、、、和樹くんがかっこよすぎて、、、」


 カワイイ

 

 そうか、俺さっき超ハズいこと言ったんだな


 思い返せば何気にプロポーズ後の宣言じゃね?





和「そろそろ寝ましょうか、、、」


澪「、、、そうですね。」






 その後俺と澪さんは30分も思い返しては悶え続け、寝るのはかなり遅くなった


 でも、澪さんの気持ちを知ることができたので、それに比べたら安いもんだな


 そうして俺は、深いまどろみの中へと落ちていった、、、











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