第23話 恋人の家のお風呂に入るのって恥ずかしいよね?




 今晩澪さんの家にお世話になることになった俺は、まず電話をかけた


和「あ、母さん? 夕飯いただいた友達の家に泊まることになったからよろしく。」


母「、、、もしかして彼女?」


 は?


 なんでバレたし


母「あんた今まで友達の家に泊まることなんてなかったじゃない。 『不自然』よ。 そんな和樹が変わるのなんて、彼女しかないでしょ。」


和「、、、あぁ。 彼女の家に泊まるから。」


母「そう。 今度紹介するのよ。」


和「、、、え? それだけ?」


母「和樹はビビりだから間違いは起きないだろうし、特に心配してないわ。」


和「分かった、、、明日は帰るから。」


母「当然でしょ? あ、紹介するのは確定だからね。」


 それだけ言って電話を切られた


 信頼されているのか呆れたのか、、、、


 とにかく、親に連絡はしたから、これからどうしようか




澪「あ、和樹くん。 お電話は終わりましたか?」


和「あぁ。 許可をもらえたよ。」


澪「良かったです。 では先にお風呂に入りませんか?」


 お風呂か、、、いいな


 やっぱり浴槽も大きいのかね


 そんなことを考えながら澪さんについて行った



澪「こちらです。 寝間着は来客用のものがあるので、そちらを用意しました。 母が洗濯してくれるそうなので、制服は洗濯機の横にある籠に入れておいてください。」


和「いたれりつくせりだ、、、本当にありがとう。」


澪「いえいえ、両親も喜んでやっていることですし。」


和「それじゃあ、遠慮なく使わせていただきます。」


澪「どうぞ、ゆっくり休んでくださいね。 今日は色々あったので、、、、」


和「そうだな、、、」



 そう言って俺は今日あった出来事を思い返す


 澪さんに告白されて、菊と喧嘩して、倒れて、澪さんと付き合い始めて、菊と仲直りしたと思ったら襲われかけて、澪さんに説教されて、家にお邪魔してーー


和「ほんとうにいろいろあったなぁ、、、」


澪「か、和樹くん!? 戻ってきてください!」


 おっと

 少し呆けていたようだ


和「それじゃあ、またね。」


澪「えぇ、ごゆっくり。」





 結論から言おう


 お風呂もやばかった


 温泉に家族用ってあったりするだろう?


 あれと同じくらい広い


 シャワーヘッドからは強すぎず優しい勢いで水が出てきて、シャンプーやボディソープからは何とも言えないいい香りがする。


 浴槽は俺の家のと比べて何倍も広い


 おまけに窓からは小さな庭の景色が見ることができるときたもんだ





和「俺の場違い感半端ないな、、、」


 なし崩し的にここまで来たけど、やっぱり俺の彼女がすごすぎる


 ネガティブに考えないように心がけると決めたが、MP(メンタルポイント)がゴリゴリ削られていく



 それでも、澪さんと会うとそんなことは忘れられそうなんだ


 澪さんの声を聞くと、そんなことはどうでも良くなってくる


 『和樹く〜ん? 気持ちいですか?』


 そう、、ちょうどこんな声、、、、、、、









和「って澪さん!? なんで扉の後ろにいるの!?」


 澪さんがお風呂の外から話しかけてきた


 でもさ、こういうのってさ! ほら、ダメじゃない!?


澪「若い男女が同じお風呂に入るのはいけないと思います、、、なら、お風呂に入らなければ良いんじゃないでしょうか? 発想の転換です!」


和「筋は通ってるけど、こんなのダメだよ!」


澪「どうしてですか? 和樹くんが入る前になにか悩んでいそうだったので、心配で話しかけるのは悪いことなんですか?」


 ぐっ、そんな事言われたら何も返せないけど、、、


和「だ、だってドア一枚の向こうで、男の子が一糸纏わぬ姿でいるんだよ!?」


 お? 澪さんの空気が、、、これは、、、恥ずかしがっている?


澪「、、、お風呂から出たら話しましょう。」


 そういって澪さんは離れていった












和「勘弁してくれ、、、、、、、、」







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