第18話 怒る恋人も良いよね?



澪「部室に入るのは許します、ここぐらいしか話すところはありませんでしたから。 ですが、お二人はまだ中学生という意識を持ってほしいです。 もし私ではなく別の人が先に入っていたら職員室行きですよ。 それに覆いかぶさるのはどういうことですか。 そもそも襲いかかるというのも学生のーーー」




 俺と菊は、怒られていた


 しかも、俺のカノジョに





 現場を見た後の澪さんの対応は早かった


 真っ先に俺から菊を引き剥がし、2メートルくらい離れさせた


 次に俺の手を引いて立たせ、説教を始めた


 この間、わずか3秒


 俺の袖を掴んだ菊よりも速かったような、、、




菊「ご、ごめんよ、三条さん。」


 菊もずっと謝っている


 少し涙目だ


和「う、うん。 澪さんもそこらへんで『和樹くん?』


 スミマセン



 澪さんは少しため息を付いて、


澪「、、、とにかく、和樹くんと菊さんが仲直りできて良かったです。 襲いかかるぐらいならもう心配ありませんよね?」


 言葉に棘が、、、


菊「この度は申し訳ございません。 おふざけが過ぎました。」


澪「いいんですよ。 もう襲いかかったことは気にしてませんから。」


 やっぱりまだ怒ってない?



澪「和樹くんはもっと抵抗してください! もし奪われていたらどうするつもりなんですか!?」


和「何をですか!?」


澪「そ、そんなの、、、言わせないでください、、、、、、、」


和「タシカニ」


 二人して真っ赤になった


 こういう話はまだ早いな、、、





菊「、、、私も話して良いのかな?」


 すまんな、菊


 澪さんが可愛すぎて忘れてた


菊「ひどくないか!? 一応告白された相手だろ!?」


和「、、、、、、、」


菊「ちょっ、そこで黙るのも、、、」



 結果、3人とも真っ赤になった






 しばらく誰も話さなかったが、耐えられなくなった澪さんが話しだした


澪「とにかく、今日のところは帰りましょうか。」


和「そ、そうだね。」


菊「うん、そうだそれがいい。」



 帰る準備をしてテニスコートを出る


 菊は自転車通学なので、駐輪場でお別れだ


菊「じゃあ、、、またね。」


和「あぁ、またな。」


澪「えぇ、また明日。」







和・澪「「、、、」」


菊と別れた俺と澪さんは、帰り道が一緒らしいので必然的に一緒に帰ることとなる



和「あっ、あの! 部長や顧問には見つかりませんでしたか?」


 空気に耐えられず、今度は俺から話しかける


澪「え、えぇ。 離れたタイミングを狙ったので、、、」


和「な、なら良かったです、、、」




 また静かになってしまう


 夕焼けが薄くなっていき、夜が近づいてくる


 これは送ったほうが良さそうだな


和「暗くなってきたので、家まで送りますよ。」


澪「ありがとうございます、、、、、、、、、、いきなり積極的でびっくりしました。」


 ん?


 最後の方は小さくて聞き取れなかったな


 澪さんにしては珍しい








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