第15話 夕暮れの中で好きな子と話すのって良いよね?
夕暮れが窓から差し込む廊下の中、俺たちはテニスコートへ向かっていた
向かう途中で澪さんに事情を話し、どのように謝るのか、どのように仲直りするのか話し合った
数少ない菊との喧嘩だったから、一言一句覚えていたので電話での話を澪さんに伝えると、
澪「それは、、、菊さんの気持ちをわかってあげていなかった和樹くんがいけませんね。」
和「菊の、、、気持ち?」
澪「えぇ。 それも含めて、きちんと話してくださいね、、、大丈夫です! 和樹くんなら仲直りできますよ!」
澪さんが勇気づけてくれる
それだけで何でもできそうな気分だ
和「ありがとう。 頑張るよ、、、っと、あそこにいるのは菊かな?」
俺の目線の先には、テニスウェアに身を包んだ菊がベンチに座っていた
澪「はい、そうですね。 今は休憩中でしょうか? 話しかけるなら今のうちですね。」
和「よし、行くか! 澪さんはどうします? 個人的にはついてきてもらいたいんですが、、、」
澪さんが隣りにいてくれると心強いんだけど、、、
澪「、、、申し訳ありません。 実は、、、和樹くんが心配で急いで保健室へ向かったので、部活をサボってしまっているんです。」
そうだった。 澪さんもテニス部だった
澪「顧問の先生と部長は優しい方なので、そこまで咎められないと思いますが、無断で休んでいるので今顔を出すのは、、、」
和「ごめん。 わざわざ来てくれたのに、部活のことまで頭が回ってなかった。 次に澪さんが部活に行くときは俺も行って、事情を説明するよ。」
澪「ありがとうございます。 やっぱり和樹くんは優しいですね。」
和「そんなことは、、、、、、 お見舞いに来てくれたんだから、せめてそれくらいの事はしないと。」
付き合い始めて30分後に迷惑を掛けるとは思ってなかった、、、駄目だ。 こんな考え方を変えていかないと!
もう少しわがままでいたほうが良いのだろうか、、、
和「じゃあ、行ってくるね。」
澪「えぇ、頑張って仲直りしてくださいね。」
少し歩いて振り返ると、澪さんがこちらを見てくれていた
それだけで勇気づけられる
『好きだよ』
言葉には出さなかった
口の形だけで伝えた
それでも、澪さんには伝わったのか、頬を赤らめていた
夕陽なのか、恥ずかしがっているのかはわからないけど
小悪魔だった澪さんを反撃できたので、『してやったり』と少し思っている
、、、、、、頑張ろう
澪さん、、、いや、俺たちのこれからのために
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます