第14話 保健室で好きな子の話すのって良いよね?



 言ってしまった


 完全に迷惑なのに


 でも、相手に迷惑だと思うネガティブよりも、澪さんを好きな気持ちが上回った







 、、、、、、澪さんを見つめていると、白い頬に涙を流し始めた


和「えっ? ど、どうしたんですか澪さん!?」


澪「だって、、、、、だって、和樹くんがそんなに悩んでいたのに、、、ごめんなさい。 私はそれに気づきもせずに勝手に自分の気持ちを伝えて、、、和樹くんを更に悩ませてしまってッ、、、!」



 話しながらも涙を流し続けている


 今思うことじゃないだろうけど、綺麗だと思ってしまう


 それほどまでに儚く、美しかった



和「謝らないでください。 澪さんのおかげで、少しは自分の気持ちに素直になれたんです。 むしろ感謝を伝えたいです。」


澪「本当ですか?」


和「本当ですよ。」


澪「なら、、、抱きしめてくれませんか? 和樹くんで不安を消してほしいです。」


 いきなり!? 


 困惑するけど、目を潤ませている澪さんのためにーー


和「俺で、よければ。」


 俺は、そっと、やさしく澪さんを抱きしめた


 澪さんが小さく息を吐いた


 今、俺は過去で一番やさしく人を抱きしめている、、、






 胸の中で温かい気持ちが広がっていったーーー






和「こんな自分だけど、よろしくね? 澪さん。」


澪「はい、和樹くん」


 澪さんは俺の中で小さく、けれどもはっきりと囁いた


澪「和樹くんが自分のことを信じられないというのなら、私があなたの分まで信じます。 和樹くんが自分のことを空っぽだと思うなら、一緒に和樹くんを満たしていきましょう、、、私は、和樹くんの支えになりたいです。」



 あぁ、やっぱり好きだ


 自分がほしい言葉を、ほしいときにくれるこの人が好きだ


 

 好きすぎて、言葉に出来ないくらいに





 これからも迷惑を掛けるかもしれないけれど、


 できるなら、この人と共に歩いていきたいーーー









和「あ、そういえば菊に謝らないと。」


 『ピシッ』


 甘い雰囲気から一転、澪さんが固まった


 あれ? なんか雰囲気が、、、


澪「、、、、、、和樹さん? なんで、それを、早く言わないんですか?」


 あ、これは怒ってらっしゃる


澪「当然です! 菊さんを怒らせたんですか!? 早く仲直りしないと!!」



 そうだよな、、、


 取り敢えず菊に会いに行って、謝って、話をしよう


澪「体はもう大丈夫ですか? 早く行きましょう。 仲直りするなら早いうちが良いです。 私も行きますから。」


和「うん、ありがとう。 もう体は大丈夫そうだ。 行こうか、菊のとこへ。」


 俺たちは保健の先生に話をつけて、保健室を出る


澪「菊さんは部活に行っていると思います、終礼の後に急いでコートへ向かっていたので。」


和「部活中か、、、邪魔にならないかな。」


澪「いえ、菊さんも仲直りしたいと思っているはずです。 是非行きましょう。」


 そうだな


 俺も菊と仲直りしたい


 俺たちはコートへ急いで向かった










澪「、、、、、、、、これが恋人初の共同作業ですね。」


 不意打ちの破壊力がスゴい







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