第9話 恋バナするときって気恥ずかしいよね?




 幸せな時間を過ぎて、俺は静かに教室へ入る




 おかしいな?


 なんか殺気を感じるんだ


 それも教室中から




健「か〜ず〜き〜! お前だけは許さん!」


和「はぁ? いきなりなんだよ。」


誠「何だとはなんだ! 昨日放課後に三条さんと和樹がベンチで話しているのを見たって人が何人もいるんだからな!?」


 把・握☆


健「昨日変なこと言って三条さんのとこに行ってよ〜〜」


誠「振られて帰ってくると思っていたのに〜〜」


健・誠「「なんで良い思いしてきてんだコラ!!」」


 マジカヨ


 こいつら俺が振られると思って送ったのか!?


 俺とこいつらの友情に疑いが出てきているんだが




和「ちょっと待て! 三条さんなら仲のいい男子は他にいるだろう? なんで俺だけ責められるんだ?」


 あの三条さんなら男友達ぐらい何人もいるだろう


 、、、自分で言っててちょっと胸が痛い


健「はぁ? 何言ってんだよ。 三条さんに男友達なんていないぞ。」


 え?


誠「そうそう。 これまで幾人ものイケメンが会いに行ったけど、やんわり断られ続けたんだよ。 そんな中和樹は、、、」


 やべぇ


 嬉しすぎる


 取り敢えず顔のニヤケを抑えるために顔を覆おう


誠「か、和樹のやつ、昨日ゴチャゴチャ言ってたくせにしっかり骨抜きにされてるじゃないか、、、」


健「こいつの残りの学校生活が心配だな、、、」


 チャイムが鳴ってそれぞれの席に座り始める


 一時限目が終わってすぐに、またあいつらが尋ねてきた



健「で、昨日何が会ったんだ?」


誠「大人しく吐いたほうが身のためだよ?」


 なにこいつらこわい


 俺は昨日の出来事をある程度かいつまんで話した


 っていうか自分の恋バナって話すのがこんなにも恥ずかしかったんだな


 たぶん俺の顔は少し赤くなっているだろう




誠「甘いねぇ。」


健「甘いなぁ。」


和「おいそれどういう意味だ。」


健「だってなぁ?」


誠「ねぇ?」


 その後のあいつらは大人しくなって、逆に不安だったな







 2,3,4時限目を過ぎて昼休みに入ってすぐに、澪さんが来た


澪「和樹さん、こんにちは。 また少し話しませんか?」


和「構わないけど、、、」


 周りからの視線が痛い


 貫通するレベル


澪「、、、迷惑でしたか?」


 そんな悲しそうな顔をしないでください、、、


和「いや、むしろ今じゃないといけないくらいですよ! ここじゃなんですし、空き教室に向かいませんか?」


澪「はい!」


 守りたい、この笑顔


 そうして俺たちは空き教室へ向かった







 なお、俺たちがいなくなった後の男子が俺に対して呪詛を吐いていたのはどうでも良くないけど、澪さんの泣き顔と比べたら安すぎるのは分かりきったことだな






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