第6話 なぐさめてもらった後って恥ずかしいよね?





和「はい、こちらこそ宜しくおねがいします。 三条さん。」


澪「もう! 三条さんじゃなくて澪ですよ!」


和「わ、分かりました。 さn、澪さん。」


 いやいやいや!


 流石に呼び捨ては無理だって!


 ただですら、なぐさめてもらって情けないというのに、、、



澪「むぅ、まぁいいでしょう。 あっ! もうこんな時間ですね。 和樹さんが良ければ一緒に帰りませんか?」


 なんて恐ろしい提案をするんだ、三条さんは!


 なぐさめてもらった後で恥ずかしいし、話が続かなかったらどうしようって不安もあるけれど、、、


和「えぇ。 こちらこそ良ければ、三条さん。」


澪「、、、『三条さん』?」


和「失礼しました! 澪さん!」


澪「早く慣れてくださいね。 これからが大変です、もう。」


 え? かわいい


 『もう』って! 『もう』って!


 破壊力がエグい!


和「分かりました、、、それじゃあ行きましょうか。」


 よし!


 今度こそエスコートできたぞ!


澪「はい。 和樹さん。」


 俺たちは玄関へ降り、そのまま校門を過ぎて少し歩く








和「あの、さっきは本当にありがとうございます。」


澪「いえいえ。 和樹さんが元気になっていただけるのが一番ですよ。」


 嬉しかったけど、ここでひとつ疑問が出てきた


 澪さんは、『みんなに対してこんな風に優しくしているのか』、という疑問だ


 もしそうだとしたら、少し悲しい、、、




和「あの、澪さんってみんなに対してあんな風にしているんですか?」


澪「、、、はい?」


 何やってんだ俺ぇ〜〜〜!


 どストレートに聞くバカがどこに居る!


 ココにいたわ!!


 これはさっきの出来事が恥ずかしすぎて脳が回転していないのでは?


 とにかく言い訳を、、、あぁ! 思い付かない!


和「あの、さっき言ったことは忘れてください。」


澪「いえ、その質問には答えないと失礼ですよね。」


 え?


 答えてくれるの?


澪「はい。 あの時つらそうにしていたのが和樹さんじゃなくても、話しかけていたと思います。」


 そうだよn「ですが、」


澪「私はあの時話しかけていたのが和樹さんで良かったと思っていますよ。」


和「っ!」




 あぁ、やっぱりこの感情は『好き』なのかもしれない


 でも、自分ではまだまだ澪さんの隣には似合わない


 だからーーー


和「僕と友達になってくれますか」


 澪さんは少し驚いた後、笑いながら頷いた


澪「はい。 喜んで。」









 やっぱり自分が空っぽだという意識は抜けないけど



 ここからだ



 ここから俺のネガなラブコメを始めよう








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