第2話 身の上話って恥ずかしいよね?




 俺は空っぽの人間


 そう思い始めたのは2年前の秋頃


 なんてことない、学校から帰ってきて、ご飯を食べて、風呂に入って、「あぁ、幸せだな」って考えた時


 当時の俺は少し早い厨二病を発症していて、なまじ勉強もできた分かなり調子に乗っていた


 今思えば黒歴史だけどな


 だからか、自分が特別な人間だなんて思っていたけど全然そんなことはなかった


 入っているお湯も、学校へ通えているのも、ご飯を美味しく食べられているのも、全て誰かのおかげで成り立っている


 自分は何もしていない


 その夜は自分の無力さに怯えて震えてた


 怖かった自分が駄目な人間だと思えて仕方がなかった


 だから自分は現実を見ることにした







健「こじらせすぎだろ!」


誠「こりゃ重症だね。」


和「べつに? 困ったことなんて特にはないし。」


健「てめぇ! 花の学生生活をそんなネガティブに過ごすんじゃねぇ!」


誠「とにかくさ、1回カノジョを作ろうとしてみれば? きっと意識も変わるはずだよ。」


 そんなもんかねぇ、、、



和「ハァ。 そこまで言うなら頑張ってみるけど、、俺なんかと付き合ってくれる女子とかいるのか?」


誠「高嶺の花なら狙ってもいいんじゃないか?」


健「確かに。 初めから届かないような相手なら、和樹のスタンスでも大丈夫だろ。」


 なるほど、、、一理通ってるな


和「例えば?」


健「三条さんは?」


和「あぁ、3組のテニス部の人か。」


 3組の三条澪さん


 テニス部所属で現在活躍中


 成績も十位以内には必ず入っていて、その可憐な容姿も相まって先輩後輩同学年全員に人気の人だ



誠「釣り合う女子はいないとか言ってたくせにしっかり知ってるんだね、、、」


和「違う違う! たしかに俺はそう考えてるけど、美人とか顔が整っているとか、そういう常識をちゃんと持ってるだけだ! ほら、あの人有名だろ!?」


 だからそんなフナムシを見るような目で見るんじゃない!


誠「こりゃ余計にめんどくさいね。」


健「だな。」


和「と、とにかく! 三条さんを狙ってみればいいんだろ!?」


 と、いうわけで、高嶺の花さんの三条さんを狙うことになりました!


 ヤッタネ!

 



 、、、流されたのは、本当は俺が彼女を欲しいと願っているからか?






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