殺し屋は無事、天国に行けるのか?

ふきゅい。

第1話  


 ――――殺し屋……


 人に依頼され、標的ターゲットを殺す生業なりわいである。

 殺し屋は依頼主より弱い立場にあり、仕事は何であろうと真っ当しなければならない。



 では、殺し屋は天国に行けるのか? はたまた、人殺しだから地獄に落ちるのか?



 それは、死なないと分からないのです。



 時を遡る……


               ◆




 この物語の主人公、狭霧布瀬さぎりふせ通称”ギリセ”は今も仕事を真っ当している。


「くぅ〜、この瞬間がたまんねぇんだよなぁ。 どんなエリート社長。極悪なヤクザ。 

 誰だろうと赤いレーザーかざしゃあビビって慌てふためいちまうんだぁ……本当に腐った世の中だこと……」


 狭霧布瀬は殺し屋以外の仕事の経験などない。生まれてすぐに銃を使いこなし、5歳で人を殺めた。しかも実の母である……人の死になにも感情がわかず、実の母を殺めた瞬間も笑っていたという。


「どーしよっかなぁ〜、サイレンサーつけて無音で撃ち抜くかそれともそのまま撃っちゃうか、普通に撃っても面白くないよなぁ〜? あららぁ、隠れちゃってぇ……無駄だってんのによぉ? まぁいいや、サイレンサーつけとくかぁ。だりぃし」


「「……!! ……!!」」


『『パリンッ パリンッ』』


『『ぐぁぁああッッッッ!!!』』


「ハハハハッッ!!足撃ったらそんな顔すんだぁ〜!ま、いいや死ね」


「「……!!」」


『『ぐッ……!』』



 狭霧布瀬と標的の直線距離は2キロ。常人なら撃ち抜くのは砂漠から鳥取砂丘の砂一粒を探し出すくらい難しい動作だが、狭霧布瀬はスコープ無しでやってみせるのだ……そして証拠を残さない。つまり最強の殺し屋なのである……


「これで120万円……本当にいい仕事だなぁ、殺し屋は。これだからやめられなぇ……」




                ◆



『『昨日未明、株式会社取締役社長の寺山権十郎てらやまごんじゅうろうさんが殺害されました――』』


『ギリセさん。ニュースになってますよぉ』

「フハハ、もう八時間も経ってんぜ? これだから日本の警察はだめだねぇ〜」

『まぁ、暗殺してからもうこのアジトに颯爽と戻ってきてますもんねぇ』


 この、狭霧布瀬と会話している男は日輪弥生ひわやよい。狭霧布瀬の唯一の友人で、狭霧布瀬のサポート役としてアジトで一緒に住んでいる。


『あ、ギリセさん。せり姉が今日くるらしいっすよ』

「む。そりゃあだるいな、ちょっと出かけるか?」


「「ギィィイイ……」」


『誰がだるいってぇ?ギリセく〜ん』


この女の名前は芹亜せりあ。金髪で巨乳、おまけにスタイルもいい、だが名字はない。この女も殺し屋でギリセと高め合っている仲である……


『ちょ、せり姉さん。その格好はちょっとまずいでしょ!胸元がパックリ空いてますよ、そんなもん見せたら!』


「「ブフッッ」」


『ギリセさんが興奮しちゃって鼻血だしちゃうでしょ!?ってか毎回なんでそろそろやめませんかッ!?』

『いいじゃない〜ギリセくんが喜んでるんだから』

『ギリセさん、よろこんでないですよね!?』


『『ジーーーーー』』


『『喜んでんじゃねーかッッッ!!』』


「当たり前だ。俺は男だぞ? それよりセリア、なんのようだ?」


『暗殺依頼が入ってきたんだけど、これが相当厄介でね……ギリセくんにも手助けをもらおうかなってね』

「ほほぅ、まさか”青龍会”とか言わないよなぁ?」

『ビンゴ』




――青龍会とは――


この日本を牛耳っている裏の闇組織「八景会はっけいかい」の子孫会であり、現在勢力を拡大している組織である。



「フハハッッ!おもしれぇじゃん。最近、退屈してたんだぁぁあッ!青龍会、いやぁ!!八景会もぶち壊しちまうかぁああッッッ!!!」




『ギリセサン…………』




―――――――――――――――――――――――――――――――――――


第一話読んでいただき本当にありがとうございます!!


面白い、続きがきになるという方は応援、小説のフォロー

していただけると励みになります!是非おねがいします!


                       ふきゅい。







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

殺し屋は無事、天国に行けるのか? ふきゅい。 @yuiyuiyui1031

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ