第14話 道中

〜前回の簡単なまとめ〜


ダークエルフの村で観光が終わったから次の場所に行くよ、フーリエもついてくるみたいです。


〜まとめ終わり〜


ダークエルフの村を出た吾輩たちは吾輩の城とは反対の方向に向かいながら歩いていた、戻っても城方向は山ばかりだし。


「そういえばルーゴ、次に何処に行くか決めているのか?」


そう聞いてきたのはダークエルフの村で再開した生前の知り合いフーリエ、何故かついてきた、いやまぁ別に良いのだが。


「いや、とくには決めてはいないな、吾輩の死後、世界がどう変わったのかも吾輩はよくは知らないからな、あれだ、生前からごく最近まで変わらなかったことは魔族とは仲が悪かった、ぐらいしか知らないな。」


と吾輩、ルーゴが返事をした。


「百年ぐらい経つと村が無くなったり出来たり、国が無くなったり出来たり、民族や他種族が争ったり争わなかったり滅んだり滅んでいなかったり、と色々変わっているだろうが吾輩は百ちょい年前のことと魔族関係のことしか知らないな。」


と吾輩は隣を歩いているフーリエに対し話し横を見るとフーリエは吾輩のことを、信じられないぐらい疎くない?、と言いたげな表情でこちらを見てきた。


「なんだ、その、うん、すみません……。」


吾輩はフーリエの表情と視線が心臓にチクチク来たため謝った、まぁ、その心臓はないんだが。


「いやまぁよくよく考えたら死んでから百ちょい年、外の情報はほとんど知らず会話は他の魔王だけ、って言われたら仕方がないところもあるのかな、ワシだってたまに来る商人や噂話程度しか知らないからなぁ、実際に見に行ったわけでもないからな。」


とフーリエは吾輩に向けていた視線を前に戻して歩いていた、まぁ村出る前にここ数十だか百年ぐらいは外には出てない、と言っていたから、そういったことがあった程度しか知らないのだろう。


「そういや商人なんてあの村に来るんだな。」


と吾輩はフーリエに聞いた、瘴気を突破して来る商人とは珍しい者もいるんだなぁ、と思ったからだ。


「んー、あぁいるぞ、獣人やら魔族やら週に数度あの村に来るぞ、結構色々交換してくれるからワシたちも助かっている。」


とフーリエはいつの間にか煙管を取り出し吸いながら歩いている。


「そうだ、ルーゴ、とりあえずこの先に大きな道があるらしく北側に行くと亜国家があるからそこに向かおう、その後違う大陸に行ってみよう。」


とフーリエは吾輩に言ってきた。


「あれ?この大陸って一国しか無かった気がするが、増えたのか?」


と吾輩は記憶を辿りフーリエに質問した、確かだいぶ大きな国がドーンとあった気がしたのだが……。


「あぁ、帝国か、確かだいぶ前にトップが無くなって統率が面倒だか統率が出来ないだかで解体された、で国としてそれぞれ統治が認められ今この大陸には三国あるらしい。」


とフーリエは思い出しながら煙管をくるくる回し吾輩に教えてくれた、そうか、そういうこともあるよなぁ。


「ワシやお前さんの場所をざっくりこの大陸の西とすると北南東にそれぞれ一国ずつあってワシたちが行こうとしようとしているのが亜国家ルズだ、南はサース、東はドルルだ。」


とフーリエは説明しながら口から煙を輪にしながら出していた、器用だなぁ。


「亜国家と言っても亜人主義というわけじゃなくて色々な人種、それこそ獣人や魔族、ヒューマンやドワーフ色々がいるから亜国家と言われてるな、だからそこが良いかなと思ったんだ。」


へー、と吾輩は思った。


「ん?ならサースとドルルは?」


と吾輩がフーリエに尋ねるとフーリエは複雑そうな表情をした。


「まさかヒューマン至上主義か?」


「いや、うーん……そうだなドルルは基本ヒューマン至上主義らしい、が、これもだいぶ前に聞いたことだから今はどうかは判らん、サースは別段そんな至上主義はないらしい。」


とフーリエは吾輩に答えた。


「亜国家が良いと言ったのは最近魔族人類間で和平が結ばれたから元々魔族にも寛容な亜国家が良いと思ったからだ、サース、ドルルはそういう意味ではまだピリピリしているだろう。」


とフーリエは吾輩の方を向き答えた、確かにそう考えたらまだそういった場所には足を運ばないほうが良いのかな、と考えているとフーリエが歩くのを止めた。


「ん?どうしたフーリエ?」


と吾輩はフーリエに尋ねるとフーリエはいやに悪そうな顔をして吾輩を見上げていた、ヤバい、これは立ち止まって聞かないほうがよかった。


「ふっふっふっ、ルーゴよ、ワシを担ぐことを許可しよう!」


「そんなことだろうとは思った……。」


下手に返事をしなければよかったなぁ、と思いながらフーリエをチラッと見るとニコニコしながらフーリエは吾輩の方を見ていた、そんな顔でこちらを見られても……と思いながらも吾輩はフーリエの方に歩いた。


「はいはいわかりましたよお嬢様っと。」


「おー、楽久!良いな良いな!」


よくよく考えたらお嬢様という年齢じゃないな、と思いながらもフーリエはなにも言ってこないので吾輩もまぁ良いか、と思いながらフーリエを抱えた。


「とりあえず夜までだからな。」


「わかってるわかってる、いやー楽久、良いのぉ!」


本当にわかっているのだろうか吾輩はフーリエを見ながら思っていたがこれに関してもまぁ良いかなと思い歩いた。


さて、目的地は亜国家ルズに決まった、どんな所か生前無かったから見当つかないがどんな感じなのか、楽しみだ。

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