第13話 出発
〜前回の簡単なまとめ〜
どうやらフーリエがついてくるみたいです
〜まとめ終わり〜
そんなこんなで吾輩はエル、ルイン、フーリエの三人で村の入口に向かって歩いていた。
「ふふふ、久しぶりに村外に出るなぁ。」
「ん?そうなのか?」
フーリエがそんなことを言ったので、吾輩はエルに聞いてみた。
「そうですね、私が物心ついたときには村の中にずっと居ましたし、勿論ルインが産まれた頃も村外に出てるの見たことないですね。」
「ない。」
とエルとルインは吾輩に答えた。
「なるほど、ぶっちゃけどのぐらい村に引きこもっていたんだ?」
と吾輩はフーリエに尋ねるとフーリエは不機嫌そうな顔をした。
「引きこもっていたとは心外な……いやでも……うーん……。」
とフーリエは数秒考え、
「まぁ村という存在を作って村の守りを作ってからは基本村の中で調整調節していたからなぁ、それ以来からかな?」
とフーリエは吾輩に答えた。
「そうか、なら吾輩と同じ、もしくは吾輩より短い期間なのかな?」
と吾輩は答えた。
「多分ルーゴさんより短いんじゃないですかね?前に村長が村作るとき瘴気あるからここにした、って言ってましたし。」
とエルが言ってきたので、吾輩はなるほどと思った。
「まー引きこもっていたって言えばたしかに引きこもっていたいたけど別に村の中、村内の生活や風景が嫌だったかと言われたら別に嫌ではなかったけどね、少しの変化でも楽しめる方だし。」
とフーリエは色々考えながら吾輩に言ってきた。
と、
「ん、ルーゴ。」
とルインが吾輩に抱えることを要求してきたので吾輩はルインを抱えた。
それを見てフーリエは何かを考え始めた、やめてくれ……。
「ん!」
フーリエが何かを思いついたようだ、やめてくれ……。
「ルーゴ!」
フーリエはニコニコしながら吾輩に言ってきた……。
「……嫌だ、と言いたいが内容を聞かずにそれはさすがに吾輩が悪いから内容を聞くけど……なんだ?」
吾輩は渋い表情が出来ないのが残念だ、と思いながらフーリエに聞いた。
「ワシは肩車をしてほしい!」
「自分の年齢と立場を考えてください……。」
吾輩はある程度想定はしていたが出てきた答えにその場に立ち止まり丁寧に返した。
「おー、高い!高い!良い眺めだなルーゴ!」
「いーな。」
「……。」
結局フーリエを肩車することになった。
あの丁寧に返した後、歩きながら何度か乗せる乗せないの問答をした後、フーリエが静かになったなと思いフーリエを見ると怒っているのか泣いているのか若干涙目でこちらに訴えてきたため吾輩はフーリエを肩車することにした。
思っていたより軽いなぁと思いながらフーリエを落とさないように肩車し、肩車されているフーリエを羨ましそうに見ているルインを抱え村を歩いているのだが周りからの視線が親子を見る目で見られていた、フーリエ吾輩より歳が上なはずなんだがなぁ……。
エルの方を見ると、エルは本当にすみません……、と言いたげな表情で吾輩の方を見てきた、大丈夫、エル君は悪くはないから、大体この肩車されている奴のせいだから、と吾輩とエルはお互いにアイコンタクトをし、頷いた。
「気にするなルーゴ、ワシがしたいって言ったんだ、なにかあってもワシのせいにしろ。」
「また勝手だなぁ……。」
吾輩は生前にはこんなことをしなかったのでたまには良いかなと思い、フーリエを肩車、ルインを抱え、エルと小話をしながら歩き門にむかった。
「あ、ルーゴさん、門が見えてきました!」
「もん!」
「おー、高いから良く見える!」
と三人が言った先には門があり、門の前には三人の人影が見えた。
「よし、ルーゴ、降ろしてくれ。」
「ん、おりる。」
とフーリエとルインが門に着く前に吾輩に言ってきたので吾輩は二人を降ろした。
「なんだ、ルイ、ルニ、ルサ、三人とも来ていたのか。」
「そりゃあ来ますよ、村長が村を出るんですから、なぁルニ。」
「そうですよ、見送りぐらいしますよ、なぁルサ。」
「そうですな。」
とフーリエとルイ、ルニ、ルサが会話をしていたが、あの三人あんな喋り方だったか?
「あー……あの三人緊張すると変な喋り方になっちゃうんですよ……まぁおかしなことは言ってないので喋り方が変になっているだけですが。」
と吾輩が三人を見て不思議そうに見ているとエルが吾輩の傍に来てこっそり教えてくれた、まぁ自分より位が高い人とか知らない人とか他諸々、そんな喋り方になってしまうのは仕方ないと思う、吾輩だってそうなる時あったと思う。
フーリエを見るとルイ、ルニ、ルサと話ている、村長の引き継ぎに関して話があるのだろう、ルインは暇そうにしている。
「お菓子食べる?」
と吾輩が聞くと
「たべる。」
とルインは返事をしてきたので吾輩は【呪いの収納】からお菓子を取り出しルインにあげた。
「ん、ありがと。」
「いえいえ。」
と吾輩はルインに言ったあとエルに用があったのを思い出した。
「エルさん、これをあげよう。」
「ん?なんですか?」
とエルがこちらにやってきたので吾輩は【呪いの収納】から一振りの剣を取り出した。
「わぁ、綺麗な黒色の片刃の剣ですね……。」
「これをあげよう。」
と吾輩が言うとエルはこちらをすごい速さで向いた。
「え、これ、え?!」
「うん、これをあげる、吾輩が片手間に色々な金属を混ぜ合わせ作って吾輩の呪いで細部に至るまで研磨した片刃剣、銘は……決めてなかったな、今決めよう……妖美、妖しく美しい、うん、呪いの魔王ルーゴが銘した。」
と吾輩は一人テンション高く言ったあと、片刃剣を作っておいた鞘に入れエルに渡した。
「多分使えると思うけど、最低でもあの訓練で連続10回、弱点を見抜いて斬り伏せられるようになったら使い勝手が変わってくるよ。」
「えっ、あの、えっと、ありがとうございます!大切に使わせてもらいます!」
とエルが言った。
「ルーゴ、終わったかい?」
同時にフーリエがこちらに話かけてきた、どうやらフーリエ達も話が終わったようだ。
「んじゃルーゴ、行きますか?」
「そうだな、行くか、エル、ルイン、ルイ、ルニ、ルサ、観光案内ありがとうな。」
と吾輩が言うと、
「いえ、案内出来てよかったです、剣ありがとうございます。」
「ん、また会おう。」
「俺たちは特に何もしなかったけどな。」
「そうだな。」
「まぁまた機会があれば来てくれ。」
とエル、ルイン、ルイ、ルニ、ルサが返事をしてくれた。
「んじゃ、村は任せたルイ、ルニ、ルサ、さぁルーゴ、行こう!ワシは楽しみだ!」
「そうだな、吾輩も次が楽しみだ。」
そう言いながら吾輩とフーリエは門を出て五人の姿が見えるうちは振り返りながら手を振り歩いた。
さて、次はどこに行こうか。
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