第11話 ダークエルフの村 観光⑤

 〜前回の簡単なまとめ〜


 エル、ルイ、ルニ、ルサと戦闘訓練を行ったよ


 〜まとめ終わり〜



「そういえばルーゴさん。」


 とエルが少し休んだようでルインと一緒にいた吾輩の所に歩いて来ながら話かけてきた。


「ん?なんだ?」


「先程私との時に私の木剣を剣先から真っ二つにしましたがあれは魔力を使ったのでは?」


 と吾輩がルール違反をしたのでは?いや何か凄いことなのかな?という風な顔もとい表情で吾輩に尋ねてきた。


「あー、なるほど吾輩がルール違反をしたのか気になるのか、うーん……そうだなあそこにある木の人形の所に行こうか。」


 と吾輩はエルとルインを連れて人形の所にむかった。


「ということでさっきのことについて説明するけど、その前に木剣を調べてもらって良いかな?」


 と吾輩はエルに木剣を渡した。


「先程使っていたやつですね、特におかしいところはありませんね、私やルイさんたちが使っていた物と同じですね。」

 とエルはルインに見せた後に吾輩に木剣を返した。


「じゃあさっきの種明かしだ、吾輩生前は魔法とはほぼ無関係な聖天騎士の職業でその時の技術というかスキルというかそれまでの経験というか、まぁ相手の破壊に特化した場所が判る。」


 と吾輩は木剣を手に人形の左腕に見立てた所に添えた。


「今は仮にそれを技としておいて、その技で木剣をわりと楽に真っ二つに出来たんだ、まぁ実際に見たほうが早いか。」


 と吾輩は先程人形の左腕に添えた木剣を少し浮かせたあと軽く振り下ろし、コン、と木と木がぶつかる音がした直後、バリッ、と人形の左腕に見立てた部分は落ちた。


「えっ、まさかほんとに……確かに魔力は使ってないし、ほんとにさっきのは技術だけ……。」


 とエルはこちらを見て凄く考えているみたいだ。


「まぁこれは当てただけだからこんな感じだけどしっかり威力というか速度さえあればっ!」


 と吾輩はエルが見えるであろう速度で人形にある他の破壊に特化した場所五ヶ所、右腕の肘辺り、顔の右上部分、右脚に見立てた太腿部分、左肩部分、そして胴体部分を斬り落とした。


「破壊というか粉々とは違って綺麗に斬り落とせる、こうやってぴったりとくっつけられるぐらいには。」


 と吾輩は先程斬った部分を全部もとに戻したあとエルの方を見た。


「えぇ……少しやってみても良いですか……?」


 とエルは違う木の人形に向かいながら吾輩に言ってきた。


「いーよー、少しやってみな。」


 と吾輩はこっちに来ていたルインに抱えることを要求されて抱えた後にエルの方に歩きながら答えた。


 しばらくエルは人形と打ち合っていて吾輩が破壊、また斬った部分を確認しながら叩いたりしていたが結果は


「駄目です結局よくわかりません……。」


 と吾輩の方をジーッと見てきながら言ってきた。


「まぁこれは技術だからね一長一短では出来ないさ、よっと。」


 と吾輩はルインを抱えながらエルに近づきエルが持っていた木剣を拾いルインを抱えているためゆっくりと剣を人形の左肩から反対側腰までにかけて振り下ろし、人形を真っ二つにした。


「人ひとりひとり弱点や長所が違うように道具やこういう人形ひとつひとつ弱点が違うから吾輩の斬った打った部分が正解じゃない、ん、だ、が……。」


 と言っている最中ルインに肩を叩かれルインを見てルインが向こう向こうと指を指していたので指されていた方を見るとエルが凄い不満そうな顔でこちらを見ていたので最後の方が詰まってしまった。


「まぁ確かに言われてもわからないだろうけど自分も聖天騎士になる前からの訓練でそのきっかけを作ってなってから出来るようになったからなぁ……正直まずは観察から、と言いたいけどエルさんや吾輩の前に来て剣を構えて……。」


 と吾輩が言ってエルは驚いたのか急いで別の剣を取ってきて吾輩の前に来て剣を構えた。


「えっと……?」


 とエルは構えたあと吾輩の方を少し困惑して見てきた。


「いいかい?木は簡単だ、人体に比べたら線や木目もある、とりあえずここだね、ここをある程度でいいから速めに振り抜いてみて。」


 と吾輩は先程吾輩が真っ二つにした人形をもとに戻したあと、その人形の右太腿を両断するように指で線を引いた。


「え、あ、はい!」


 とエルは吾輩が指で線を引いた部分を振り抜き、人形の太腿部分は両断された。


「!?ルーゴさん!!出来ました!」


 とエルは両断した部分をまじまじと見ながら吾輩に報告した。


「今回は吾輩が教えたから出来たけどまぁ自分でよく観て何度も練習するのが結局近道よ。」


 と吾輩はエルに答えた。


「さて、ということでルーゴさん、訓練所ですがいかがでしたか?」


 とエルは案内中だということを思い出したのか一瞬ハッとした後吾輩の方を向きながら歩いていた。


「良い訓練所だと思うよ、基本的な物はあるしあと……。」


 と吾輩が答えていると


「エル、ルーゴ!危ない赤牛が!」


 と、遠くからルイが走りながら吾輩たちに大声で報せた。


「っ!!ルーゴさん!」


 とエルが吾輩の前に立ち魔法を詠唱し始めようとしたが


「大丈夫大丈夫、ルインをよろしく。」


 と吾輩は抱えていたルインをエルに渡して赤牛の方に歩き出した。


 赤牛は魔物と言えば魔物だが家畜にも出来る魔物だ、だが、いくら家畜に出来ると言われても立派になった角は人を刺し、蹴りは骨を折り、体当たりだけでも骨を折る、結構強い魔物だ。


「さて、赤牛か、【呪いの怪力】。」


 赤牛は吾輩目掛け走り込んできた、かなりの速度だ、まずエルやルインはどうしようもない威力だ、下手をするとルイあたりもどうしようもない威力だろう。


「なんだ、始めて【呪いの怪力】を使ったが下手をしたら要らなかったな、まぁ使わなかったら指の骨数カ所はヒビが入っていたかな。」


 赤牛は止まっていた、吾輩は赤牛の角を両手で握り赤牛を止めていた。


「さて。」


 と吾輩は赤牛に対して言葉は通じないだろうが殺気を交えながら赤牛の眼を見ながら、


「魔王の前に立ち魔王に攻撃を加えたのだ、覚悟は出来ているんだろうな?」


 と赤牛に尋ねると赤牛の呼吸は荒くなり白目をむき手に感じていた赤牛の力は感じられなくなっていた、赤牛は気絶してしまった。


「あぁ、こんなものか。」


 と吾輩が赤牛の角から手を離した時、


「やっぱり凄いな……。」


 とルイが吾輩の所に着き言ってきた。


「いや、魔王としてはまだまだ序の序よ。」


 と吾輩がルイに返すと、


「ルイさん!!!!」


 とエルが出て来てルイを吾輩の側から離し離れた所で説教を始めた。


 最初はルイも言い訳をしていたみたいだが段々と小さくなっていき正座でエルの前に座り話を聞いていた。


 そして少し遅れてルニ、ルサが着いて必死に言い訳とルイを擁護しているように見えたが、やはり段々と小さくなっていきルニ、ルサ共にルイ同様エルの前で正座をしていた。


 とその場面を離れていた場所で見ていた吾輩の手をルインが引いてきて抱えることを要求してきた為、吾輩はルインを抱えるとルインは、


「ルーゴ……ぜったいエルおこらせたらだめ、ふつうにこわい……。」


 と吾輩の顔を真剣に見て言ってきたので


「そうだね、気をつけるよ。」


 と吾輩は返事をした。


 あとは若樹らしいがどんな感じなんだろうか、楽しみだなぁ、と吾輩はルインを抱えながらルインと共にエル達を見ながら楽しみにした。

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