第9話 ダークエルフの村 観光③

〜前回の簡単なまとめ〜

 

 夕飯を作ったがどうやら色々やばかったようで色々顔に刺さった。


〜まとめ終わり〜



「おはようございます、ルーゴさん。」


「ん、おはよう。」


「あぁおはようエル、ルイン。」


 吾輩は朝になり昨日言っていたエルとルインが来るであろうだいたいの時間で外で二人を待っていた。


「あれ?村長は中ですか?」


 とエルが聞いてきたので、


「一応起こしたが一昨日よりもたくさん飲みすぎたからもう少し休む、だそうだ、観光案内しっかりやれ、だそうだ。」


 と吾輩は後ろにある扉を見ながら返答した。


 中は……とても見せられない……一応フーリエは酔っていたから椅子に座らせて倒れないように固定して寝かして吾輩もその後寝たが朝起きて改めて部屋を見てみたらすごい汚くなっていて今一応【呪いの掃除】で綺麗にしてはいるが……まだ駄目そうだな……。


「判りました、では行きましょうか。」


 とエルが言ったあと、ルインがこちらに寄ってきて手を引っ張ってきたので一緒に歩き始めた。


「今日は村の中で、私たちダークエルフの民芸品を作っている場所と訓練所、あと若樹を見に行きましょう。」

 

 とエルはこちらを振り向きながら言ってきたので、


「おー、楽しみだ。」

 

 と吾輩はルインの歩幅を合わせながら返事をした。


 村の中は昨日と同じ感じだった、皆生き生きとしていて良い感じに見えた。


 しばらく歩いた後ちょっと大きい建物についた。


「ここで民芸品を作っています、と言っても布ですけどね。」


 とエルは言いながら扉を開けながら入っていった。


 吾輩とルインも入って中を見たがなかなか面白い光景があった。


「ほー、多分村回りに生えている木だろうけど、それを魔力糸に変えてから織っているのか。」


「はい、そうですね、他にも魔樹園で使えなくなった木とかも使っていますね。」


 とエルは言った。


 魔力糸は名前通り魔力を持った糸で作り方は糸に魔力を持たせるのが一般的、というか簡単なんだが物を魔力により細く細かくなるようにしそこから糸を作る作り方もあり、それは前述の作り方より丈夫で肌触りも良くなる、と魔導のやつから聞いたことある、また、あと一つ作り方があるのだがそれは置いておく。


「わー、すごい!」


 とルインが感想を言ったので、


「確かに凄いな、糸にするまでの魔力操作だけでもかなり難しいんだがここの作業場のダークエルフたちは魔力操作が凄いな。」


 とルインに相槌を打つように吾輩も感想を言った。


 吾輩が作業を見ているとこっちに気がついたであろう作業をしていたダークエルフの女性がこちらに近づいてきて、


「あ、あなたが昨日村長が言っていた観光に行くかもしれないって言っていた人……ではないけど御方か。」


「あぁはいそうです。」


 と言ってきたため返事をした。


「どうだい?少しやってみるかい?村長からは魔力が凄いから大きいやつでもやらせたら良いって言われてね。」


 と女性は少し離れたあとまぁまぁ太い、それこそ今隣にいるルインと同じ背丈とルインより少し太めの切り出された木を持ってきた。


「これどうだい?なに簡単だよ魔力、魔法が使える者は糸にするのをイメージすることで出来る、まぁ村長の受け売りだけどね。」


 と女性は苦笑いしながら答えた。


「大丈夫ですかルーゴさん?無理そうなら無理しないでくださいね。」


「ん、無理は駄目。」


 とエルとルインが言ってきたのをよそに吾輩は木を見てイメージしていた。


「なるほどね、糸ね、さっきの作業を見て仕組みや仕方は判ったが……。」


 と吾輩は言ったあとに木に手を置き魔力を込め始めた。


 時間として三十秒ぐらいだろうか手の平の感触が変わったので見てみると一本糸が出ている形になっていた。


「よしよし出来ているな、なら。」


 と吾輩はその糸に魔力を込め始め糸を引き伸ばすようにして糸を作っていった、その様子をエルとルインは静かに見ていた。


 時間としては十分ぐらいだろうか木の半分ぐらいが糸になったが、


「いやすまない、これが限界だ、これ以上は身体が動かせなくなる。」


 と吾輩は汗をかくはずないが額の汗を拭う動作をした。


「いやいや、半分でも凄いよ始めてならたいしたものだよ。」


「ほんとですよ、私、こういった作業難しくてあまり出来ないんですよ、凄いです。」


「ん、凄い!」

 

 と女性とエル、ルインは言ってくれた。


「いやはや、魔力の量というよりかは魔力の操作とイメージが大切なのとそれが出来るここの人たちは凄いな。」


 と吾輩が言ったあとに、その糸から出来る布を見せてもらい、そこから作られている服や物入れなどを見せてもらった。


「綺麗に色が出ているが……なるほどこれは染めているのか……これは綺麗だ。」


 と吾輩が色々見ているとルインが布と木で出来ている髪飾りを見ていた。


「あー、なるほど……エルさん、あの髪飾り見ても?」


 と吾輩が聞くと、

「大丈夫ですよ、手に取ってもらっても大丈夫です。」


 と答えが帰ってきたため吾輩は手に取り髪飾りを観察した。


「なるほど、かんざしみたいな感じか、なるほど判った。」


 と吾輩は髪飾りを戻した。


「ルーゴさん、そろそろ次行きますか?」


 とエルが言ってきたので


「そうしますか。」


 と吾輩は答え歩き始めると、ルインはなにも言わなかったが一緒に歩き始めた。


 そうして歩いて先程の作業場についた時、


「すみませーん!先程の木半分余ってますよね?貰っても良いですかー?」


 と先程の女性に聞こえるように話すと、先程の女性が気づき反応してくれ先程の半分余った木を持ってきた。


「大丈夫だよ、持っていき!」


 と気前よくくれたあと吾輩たちは建物の外に出た。


「さてと。」


 と言ったあと吾輩は貰って持っていた木を地面に置いた。


「ルーゴさん、なにを?」


「???」

 

 とエルとルインは不思議そうにこちらを見ていた。


「今から魔法を使うから少し離れていてね、一応抑えめにやるつもりだけど危ない可能性も零じゃないからね。」

 

 と二人を下がらせ吾輩は木を魔力を使い地面から浮かせたあと、


「【呪いの造形】、【呪いの祝福】、【呪いの錬金】それぞれ控えめに。」


 と三つの呪文を唱え宙にあった木は必要量糸に変わり、余った木は先程見たかんざしの造形に変わり、大地の土が宙に上がりながら錬金により金属に変わりそれぞれが合わさり髪飾りに変わった。


「はいルイン、さっき欲しそうに見ていたからあげる。」


 とルインにあげると、


「ん!ありがとう!」


 と目をキラキラさせながら言ってきた。


「おー。」

 

 とエルが物欲しそうに見ていたが我にかえり、


「さてルーゴさん次は訓練所行きましょうか!訓練所!」


 と目をキラキラさせながら吾輩に言ってきた。


 なんか嫌な予感がしなくもないが、まぁ色々ありそうで楽しみだ。

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