第8話 ダークエルフの村③

 〜前回の簡単なまとめ〜


 養殖場に行ったよ


 〜まとめ終わり〜



「そういうことで明日も私とルインが村の案内をさせてもらいます、多分あとで村長からも話があると思いますが……。」


「あぁわかった、明日も頼む。」


 と村に帰ってきて村長であるフーリエの家の前についた時にエルが言ってきた。


「それでは私たちはこれで。」


「ん。」


 とルインが手を振ってきたので振り返した後、二人の姿が視界から見えなくなってから家に入った。


「フーリエ、今帰ってきた、が……。」

 

 と吾輩が家に入ったと同時に言ったが返事は無かった。


「ん、居ないのか……?」


 と部屋を色々回っていると獣の皮や樹皮で作ったであろうソファで横になって寝ていた。


「あー、寝ているのか……ふむ、なるほどなるほど……。」


 と吾輩が小声で呟いた後、昨日フーリエが料理を作っていたキッチンまで静かに向かった。


 しばらくしたあと、フーリエがまだ横になって寝ていたので、


「フーリエ、起きてくれ、フーリエ。」


 と吾輩はフーリエの身体を揺さぶった。


「ん?んー?ん、ルーゴか?帰っていたのか。」


 とフーリエは眠そうながら起きた。


「少し前に帰ってきた、なかなか良いところだったぞ?魔樹園と養殖場。」


 と吾輩がフーリエに言うと、


「そうだろ?私が作ったからな。」


 とニヤニヤしながら答えた。


「と、そうだご飯作らないとな、まだだろ夕飯?ここの者たち昼食べるあまりいないから食べてないだろうし腹減っているだろ?」


 とフーリエが言ってきたので吾輩は、


「ふふふ、フーリエよ、こちらに来るが良い。」


 とフーリエをテーブルに呼び寄せた。


「うおっ、これ凄いな……、まずは夕飯ありがとうと言いたいんだが……こんな食材家にあったか……?」


 とフーリエは吾輩の顔とテーブルに広がった料理を交互に見合わせながら尋ねてきた。


「まぁ細かいことは置いといて温かいうちに食べよう。」


 と吾輩はフーリエを席に座らせた後吾輩自身も席に座り食事を始めた。


「まぁ……この野菜……というかサラダは昨日も食べたからわか……いやまてなんだこのトマトみたいな赤い実、私は昨日使ってないしこの家にも無かったはずだぞ……?あ、うまい。」


 と吾輩の顔を見ながらサラダを食べながら質問してきたので、


「あー、それは吾輩の【呪いの収納】に入っていて疾風のやつから貰ったやつで、確か……なんだっけか……えーと……あぁ、竜の雫だかなんだか痛ぁっ!」


 と赤い実の名前を言った途端、フーリエはどこから飛ばしたのか頭にフォークが突き刺さっていた。


「え?痛いのか?それはすまない……。」


「いや?別に痛覚は基本ないがぁっ?!」


 今度は眉間に刺さった。


「全く……お前は……まぁそれはおいといて、竜の雫だと?お前は生前からそんな高価な物興味なかったからあれだがこれ凄い値段する実だぞ……凄く美味いな……。」


 とフーリエは言いながらも美味しそうに食べていた。


「次にこの肉だが……確かにこの家にも肉はあるが……おかしいな……この肉にも見覚えないんだが……?」


「あー、それは確か破壊のやつから貰ったやつでそれも【呪いの収納】に入っていたやつでで確か……あぁ天牛だかの肉らしぐおっ?!」


 と若干予想はしていたが今度は右目の空洞部分に何故かスプーンが刺さった。


「おっま、おま、お前ほんと、ほんとになんて物出しているんだ……さっきの実よりヤバいもの出しているんじゃないよ……凄く美味いな……美味い……。」


 とフーリエが言いながらも食べている時さすがに不快感があったので目からスプーンを抜いた。


「確かに美味いなこの実も牛も、食べていなかったからまだあるんだだだだだ。」


 と言っていると顔の至る所にフォークが刺さった。


「お前絶対知り合い以外には教えるなよ出すなよ絶対だぞ!」

 

 と肉を食べながらどこからかフォークを投げてきた。


「あぁ、そうする……そうします……。」


 と吾輩は少しフーリエが怖くなりフォークを抜きながら答えた。


「と、なるとだ……この水?じゃないな、飲んだ感じは……酒だな……これも?」


 とフーリエは吾輩の顔を若干ながら聞くの嫌だなぁみたいな表情をしながら見てきたので、


「答えなきゃ?」


「駄目だな。」


 とさっきとは違いニコニコしながら言ってきたので吾輩も腹を括って、


「それは魔導のやつから貰った酒でカース・ドンラと言うらしいいっ?!」


 予想はしていたが今度は包丁が頭に刺さった。


「これも?」


「やばい……生前ならいざしらず今じゃほとんど手に入らないからなこれ……下手したら地方の土地三、四個は買える……うっっまこれ……。」


 とフーリエはほんとに美味しそうに飲んでいた、吾輩は包丁を抜いていた。


「というかさっきから魔導やら破壊のだか言っていたがまさかとは思うが?」


「あぁ?あぁ他の魔王のことだな。」


 と、色々フーリエと話しながら食事を楽しんだ。


 肉や野菜を食べながら吾輩以外の魔王について簡単に説明したり、吾輩の城について簡単に説明したりした。


 そのうち肉やサラダを食べ酒以外無くなった時、


「さてと。」


 と吾輩は席から立ちキッチンに入っていった後、手に物を持って出てきた時、フォークが飛んできたため【呪いの障壁】で止めた。


「うおっ、予想はしていたが……。」


「さっきの話や夕飯で出てきた物見てたらそうなっても仕方ない、んで今度はなんだ?」

 

 とフーリエは少し悪態をつきながら言ってきたので吾輩は、


「あー、うん、さっきはすまん……これはさっき吾輩の呪いで作った冷や菓子、シャーベットだかアイスだかだな、呪いと言っても冷やしたりしただけだから食えるぞ。」


 とフーリエの前に出した。


「おー、これはブラックチェリーか、おー、おー、うまそうだな。」


 とフーリエが喜びながら食べてくれたので吾輩は微笑んだ。


「いやぁ、良い夕飯だった。」

 

 とフーリエは席を立ちキッチン方向に歩いていった。


 しばらくして手や浮かした酒瓶を携え帰ってきた。


「まだまだツマミもあるし酒もあるからもっと飲もう呑もう!」


 と若干酔いながらも笑顔で勧めてきたので、

「そうだな。」


 と吾輩は笑いながらグラスを持ちながらフーリエから酒を注いでもらった。


 さて明日は観光二日目だが……フーリエ明日大丈夫かな……心配になってきた……。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る