第4話 ダークエルフの村①

〜前回の簡単なまとめ〜


 城から出て森を通る際にダークエルフ二人と奴隷商人と会い奴隷商人を倒した。そしてダークエルフの村に向かうことになった。


〜まとめ終わり〜


 

 エルとルインを奴隷商人から助けたことにより二人に勧められダークエルフの村に観光に行くことになったが……。


「結構歩くな、まぁエルフや妖精とかもそうだけど基本人間や魔族と積極的に関わらない種族だから村の場所も基本判らないようになっているのか、な?」


 と、吾輩はルインの歩く速さを併せながらエルに尋ねてみた。


「そうだな、だいたいはそんな感じだな。勿論ダークエルフの中にも村を出て冒険者になったりしたりする者もいるからダークエルフ自体そんなに閉鎖的ではないけどな。」

 

 と、エルは説明してくれた。

 

 なるほどな、と、ルインが外套から手の方に握るのを変えたので吾輩は快く手を握った。


 バレないように腕を外し少しズラしてだが。

 

 そんなこんなで歩いていた時、


「ん?魔力の流れがおかしいな?んー……結界……と幻惑魔法か。」


「す、凄いな、ほんとに結界に一歩入った所で判るとは……、確かに結界と幻惑魔法が張られているぞ、瘴気を突破してきた奴隷商人とか用に貼られているんだ。」


「へー、なるほど、だからこうして剣で今刺されてしまっているのか。」


「っ?!」


 前を歩いていたエルは急いでいる様子でこちらを向いた。

 

 そこには背後から左右に交差するように二本の剣が貫かれていた。


 ルインは手から離されていて三人目に目を隠されていた。


「っ?!や、ヤバい!す、すま」


「いやぁ、なるほど……知らないとはいえ魔王に剣を刺すか勇ましき者たちよ、敬意を讃えよう。」


 と吾輩は頭部を180度回転させ、後ろを向いた。


「!?」


「!?」

 

 と吾輩を貫いた二人のダークエルフは驚いた。


 と、同時に吾輩の手は吾輩の身体から離れ二人の頭に触れていた。


「頭が高いぞ痴れ者が頭を下げい、【呪いの重力】。」


 奴隷商人たちに使った時よりかなり弱くしたがそれでも充分で二人のダークエルフは立てなくなり膝立ちになりこちらを見れなくなった。


「す、すまない、三人、こちらは私とルインを奴隷商人から救ってくれた御方だ!敵意を解いてくれ!」


 そう言ったあとルインが三人目の拘束から抜け出して吾輩の外套を引っ張った。


「えーと……ま、魔王殿、この者たちも悪意があって攻撃したわけではない、攻撃を止めてくれ、私からも謝る。」


 と、言われたので吾輩も理解はしていたのですぐに呪いを解いた。


「ははは、判っている判っている、だからかなり弱めにした、まぁ剣で刺されたらそうなるよ。いやぁ、すまなかった二人とも。」


 と、吾輩は頭部も腕も戻し二人を立たせた。


「あぁ大丈夫だ……こちらもすまなかった、知らない者が幼いダークエルフを連れていたら人質にとって村に無理矢理案内させているかと……。」


「ほんとにすまない。」

 

 と、二人が謝ってきた。


「ははは、吾輩は大丈夫だ。服も外套もすぐに直るから気にしなくても大丈夫だ。」


 と、言ったあとエルの方をちらりと見たらホッとしていた。


「ほんとにすまなかった、三人とも悪い奴らではないのだ。」


「わかってるわかってる、さてすまないが御三方、吾輩は今旅行中で先程奴隷商人と争っていた二人を助け村を案内してくれると言われたのだが……。」


「なるほど、我々も歓迎する。ほんとに先程はすまなかった……。」

 

 と、言われた。


「まぁもう気にはしていない、大丈夫だ。」


「なら、我々三人は先に村に行って説明しているおく、エル、よろしく頼む。」


 と、言ったあと、三人は木の影に消えていった。


 そうした後、今度はルインに肩車をせがまれたため快く承諾しルインを肩車しながらエルに案内されていた。


 そうした後にまた少し空気が変わった。


「うん?今度は結界から出たのか。」


「あぁそうだ、結界から出たぞ、結界と幻惑魔法で判らなかったが私たちの村はその先にある、もうそろそろだぞ。」

 

 と、言われたので周りを見回してみたら多少瘴気はあるがそれでも木々が生き生きとしているのが判る。


「なるほど、ここら辺りは結界内外に比べて瘴気が薄くなっているな、そして木々も生き生きとしていて良い環境だな。」


「そうだろ、私たちダークエルフは瘴気があったほうが勿論良いが無くても良いんだ、だから結界内外に比べたら木々植物が生き生きしているんだ。」


 へー、って思いながらルインが上で


「あ、村!」


 と、指をさしたのでその先を見てみると結構大きな木製の門と木製の塀が見えてきた。結構頑丈そうな感じだ。


「おー、塀も門もかなり大きいな、そして塀にも門にも立派な彫りがしてあるなー、遠くだからよくは見えないが……」


「あれが私たち、ダークエルフの村だ!」


「村です!」


 と、言いながら歩いていると門に近づいてきた。


「おー、思っていたよりデカかった……そしてこの彫り、紋様は……なるほど……」


 と吾輩がブツブツと独り言言っているのを他所にエルが門番らしきダークエルフと話したあとこちらに来た。


「先に帰った三人から話を聞いていたらしく直ぐに開けてくれるらしい、ただ、観光の前に村長に会ってほしいらしい。」


「ん?判った、観光前に村長に会おう。」


 と、吾輩は門と塀の紋様を見ながら返事をしたあとエルに連れられルインに催促され門を通った。


「ようこそ私たちのダークエルフの村に!」


「ようこそ!」


 と、いうことで最初の観光地、ダークエルフの村についた。

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