第8話 忙しいのに

文化祭の準備のリーダーになってしまった。

花咲さんのせいで。


ドーナツの材料は代表と先生が準備してくれるから、

装飾の準備に取りかからなくては。


なのだが…


僕「…花咲さん、大丈夫ですか?」


花咲さんがさっきから、カッターを持って呻いている。


花咲「あはは、不器用でして…」


指が絆創膏だらけじゃないか。


僕「花咲さんは、のりでこっち、貼っといてください。」


花咲「赤木くん…!優しかったんですね!」


優しいね、でいいところを…


僕「はいはいどうも。いいから手を動かしてください。」


花咲「はい!」


放課後の仕事は意外と捗り、今日やるところは、予定より早く終わった。


花咲「赤木くん~、今日、ラーメン食べに行きませんか?」


パンケーキ食べに行かない?の、感じで言うな。

そして、なんで僕を誘う。


僕「花咲さん、今からラーメンって。カロリーーとか気にしないの?」

花咲「あー…そういうの気にしないですね。」


ほんと?すごくスタイル良いのに?


花咲「…赤木くん、私の体ジロジロ見ないでくれますか。」

僕「あー、ごめん。」


危ない。危うく変態になるとこだった。


僕「花咲さん、なんか自然にラーメン屋に入ってるけど、僕食べないよ?」

花咲「一人ラーメンは恥ずかしいので、来てください…」


恥ずかしそうに言う。

はぁ…しょうがない。


僕「分かった。でも、チャーハン食べたら帰るから。」

花咲「あ、ありがとうごさいます」


それから僕たちは仲良~くラーメンを食べた。

…仲良~くはうそ。なぜか無言だった。


僕「花咲さん、ごちそうさまでした。」


花咲さんにごちそうになってしまった。

僕としたことが…


花咲「いえいえ!明日からまた文化祭の準備頑張りましょう!」


スキップしながら先に行く花咲さんを見て、僕は自然に笑顔になっていた。

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