第7話 文化祭

その後も花咲さんとの日々が続き、入学して約半年が経った、10月の始め、

学級代表がこういった。


代表「そろそろ、文化祭のことを決めなくてはいけません。」


もうそんな時期か。


代表「クラスの出し物か、出店のアイデアがある人は居ませんか?」


すると、誰かが手を挙げた


花咲「はい!出店なら焼きそばとかはどうですか?」



代表「あのね、花咲さん。屋台の出店とかじゃなくて…」

花咲「たこ焼きの方が良かったですか?」

代表「違うの、もっと何かこう、魅力的な…」


花咲さん。代表を困らせないで。


代表「そうね、例えば、パンケーキ屋さんとか、メイド喫茶とかよ。」

花咲「メイド喫茶かぁ~。まぁいいや。」


何かに興味を失ったのか、そう言って座る花咲さん。


代表「あぁ。そう…」


代表は頑張ったよ。うん。


それをきっかけにみんなが手を挙げ始め、結局ドーナツ喫茶ということになった。


花咲「ドーナツ喫茶かー。ね!赤木くん!」


何が、ね!なのかは分からないが、乗っておこう。


僕「そうだね。花咲さんはドーナツ喫茶はどう?」

花咲「うーん、あんまピンとこないですね。」


そう、花咲さんは変人。女子はドーナツ喫茶とか喜ぶところを、


花咲「焼きそばが良かったです~。」


などと言うのだ。


花咲「じゃ、私はここで!」

僕「うん。」



次の日


代表「では、準備をするに当たって、引っ張ってくれるリーダーを決めたいと思います。」


花咲「はいはい!やりたいです!」


まじか。ちらっと代表の方を見ると、代表は顔が引きつっている。


代表「…花咲さん。リーダーって役割分かってる?」

花咲「もちろん!みんなの中心となって、色々考えて、引っ張っていかなきゃいけないんですよね?」

代表「うん。できる?」

花咲「できます!」

代表「…ふぅ。分かった任せるわね。」

花咲「はーい。」

代表「じゃ、もう一人選んでもらおうかな。」


花咲さんがこちらを見て、にやりと笑う。

嫌な予感。


花咲「赤木くんで!お願いします」


またこちらを見て、にやりとした。


これから、花咲さんとリーダーか。大変な三週間になりそうだな。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る