異世界訪問部

紅リア

第1話《キャラクター》登場人物


第1章

ついに夢が叶っちゃいました!



『まさか、、、』

『、、、ホントに?』

『やったーーー!』

『やったぜ!ついに俺たち夢を果たしたんだ!』

『ついに、、、ついに叶った、、、!』

『ついに叶ったんだ!!!』

『『『『『『『ついに(俺たち)(私達)(僕ら)夢を(叶えたぞ)(叶えたんだ)ーーー!!!』』』』』』』

そんなことを叫ぶ男女7人は森の中で大はしゃぎしていた。

森の中を走り回り見るもの全てが初めて見るものかのように目を輝かせていた。

何故こんなに大喜びなのか?

事は1時間前に遡る。


異世界訪問部、そう書かれた部屋で1人の女の子が鼻歌を歌いながらが魔法陣を描いていた。

普通に考えて意味のわからない状況である。

しばらくすると

ガチャ、という音とともに部屋のドアが開けられ、

やってきたのは4人の男女。

『ついに今日こそは』

『そうだね、今日こそは成功させよう!』

そんなことを言いながら部屋にやってきた4人に、

鼻歌を歌いながら魔法陣を描いていた女の子は手を止め4人を迎え入れる。

『いらっしゃーい』

『おっ、今日も早いな』

『まぁね、早く夢を叶えたいし

それにみんなを待ってる時間が好きだったりするしね』

『なんだそれ』

『爽ちゃんってたまにそうゆう小っ恥ずかしいこと

普通に言っちゃうよねー』

『そうそう聞いてるこっちも恥ずかしくなるようなこと言ってきますよね』

『そっ、そんなことないよ』

否定はしつつも思うところはあるのか顔は真っ赤である

『まぁ、爽先輩ですし仕方ないんじゃないですか?』

『?!たっちゃんまでそんなことを…』

後輩皆にからかわれ赤面し少し涙目である。

そんなことを話しているとチャイムの音がし鳴り終わると

1人の男子が手を叩きみんなの注目を集める。

『よし、じゃあみんなが揃ったし』

『爽、いつもの頼めるか?』

そう頼まれた爽と言う女の子は涙を拭いながら

『うっ、うん』

『そっ、それじゃあ気を取り直して』

『さぁ!みんな、今日も頑張っるよー!』

『『『『『おぉぉぉぉーーーーー!!!』』』』』

5人の男女は気合を入れると部屋のあちこちでやりたいことを始める。

コスプレ衣装に着替える人達やゲームを始める人、魔法陣の続きを描く人と皆思い思いに行動している。

残念なことに意味のわからない状況に更に拍車がかかってしまった。

コンコン

『失礼するよ』

5人がドアに注目する

『…どしたのマリちゃん先生?』

『また、教頭にでもいびられて逃げてきたんですか?』

『違う』

『それじゃあ、また婚活が失敗して愚痴りに来たとか?』

『 違う』

『じゃあ、この前気になってるって言ってた男が

実は相手にはただの趣味友だと思われてて、しかも相手には彼女がいてて知らずのうちに失恋してたから?』

『どれも違ーーーう!!!』

『大体お前達は私をなんだと思っている!』

『ていうか、なんでそんなこと知ってるんだ!』

『 しかもあの男彼女いたのか!?それは知らなかったぞ!?』

『 私また失恋したのか!?!?』

ハァハァと息を切らしながら1度深呼吸をし呼吸を整えると涙目になりながらも部室に来た用件を話し始めた。

『今日はな、新しい部員を連れてきたんだよ』

『入り給え』

そう言われると先生の後ろから可愛い女の子が現れた。

女の子はぺこりとお辞儀をすると、

『これからこの部活に入ることになりました』

『瀬川紘の妹の瀬川紗唯です』

『いつもお兄ちゃんがお世話になってます』

『これから兄共々お世話になるので宜しくお願いします』

それはとてもとても礼儀正しい挨拶であった。

『おっ?妹よ今日からだったのか!』

『えぇ〜』

『お兄ちゃん忘れてたのー』

『すまんすまん』

『まぁ、これからこっちでも一緒に遊べるな!』

『そだね!お兄ちゃん!』

『てゆうかなんでみんな固まってるの?』

『お前が超絶可愛いからじゃないか』

『だからみんなお前に見蕩れてるんだよ』

『えっ?!マジで?!』

『いや〜、何か照れちゃうなぁ〜』

もじもじしながら妹は頬を赤らめている。

すると、固まっていたみんなが一斉に

『『『『って、違ーーーう!!!』』』』

と、いきなり叫びだしたのである。

『なんだみんないきなり大きな声を出して』

『えっ?紘先輩妹いたんですか?!』

『あれ?俺言ってなかったっけ?』

『まぁいいか』

『これが俺の最愛の妹の紗唯だ!』

『やだなーお兄ちゃん』

『みんなの前で最愛の妹だなんて』

『やだもー、照れちゃうよー』

妹は『キャーーー』と言いながら真っ赤な顔を隠している。

『いや、そうじゃなくて』

『えっ?こんなに可愛い娘が先輩の妹?イミワカンナイ』

『ホントに紘ちゃんの妹さん?』

『こんなに可愛いくて礼儀正しいのに?』

『お兄ちゃん、お兄ちゃん!』

『なんだなんだ妹よ』

『みんなが私のこと可愛いって!』

興奮気味にそんなことを言う妹に、

『そりゃあ、お前は日本で一番、いや世界で一番可愛いからな!!!』

『それはマジですかお兄ちゃん!?』

『マジもマジの大マジだ!』

『やったーーー!』

『ありがとー!お兄ちゃん!』

『お兄ちゃんも世界で一番にカッコイイよ!』

『マジか?!妹よお兄ちゃんはお前にカッコイイと思われてるだけでも嬉しいのに、世界一カッコイイとかもう死んでもいい!』

『今夜はお赤飯たかなきゃだな!』

そんなアホなやりとりをしているふたりの兄妹をまじまじと見る5人は

『『『『『あぁ〜、やっぱりこのふたり兄妹だ…』』』』』と残念な目を向けていた。

このとても残念な感じ兄妹揃ってそっくりである。

このままでは二人の会話が尽きそうにないと思ったのか少し落ち着いた先生が話を進める。

『オッホン』

『では、だいぶ話がズレたが今日からは瀬川妹も含めた6人で活動してもらう』

『今日は初日だからな』

『まずは自己紹介からして貰おうか』

『自己紹介ですか…』

『ただの自己紹介じゃ面白くないですしねぇ…』

皆がどうやって自己紹介しようか悩んでいると

『お前達が悩むなら私が進行してやろう』

そう言うと先生は勝手に自己紹介を始めてしまう。

『では、まずは顧問の私から紹介させてもらおう』

『私の名前は綾咲茉莉花この部活の顧問をしている』

『じゃあ次は…』

と次は誰にしようか選んでいる先生に対し

瀬川紘はあまりにも短すぎる自己紹介に対して

『えっ?それだけですか?』

と聞くと

『ん?何か問題でもあったか?』

と何事もなかったかのように返ってきた。

『いや、問題ありありでしょう』

『流石に短すぎます』

『もっと他にも言うことあるでしょう?』

『そうか?まぁそう言うなら』

と先生は渋々自己紹介を続けようとする。

がしかし

『でも、別に他に言うことなくないか?』

『そんなことないですよ』

『例えば今27歳の独身で年齢が増えるにつれて結婚願望が強くなってきて守備範囲が広がりまくってもう同性でもいいんじゃないかと本気で考えてたり』

『狙ってる男には先生の方がそこら辺の男より男らしすぎて逃げられちゃって未だに彼氏が出来たことがないとか』

『そのせいで未だに処女でこのまま一生処女のままなんじゃないかと結構深刻に悩んでることとか』

『あぁ〜、後はそうだなぁ〜』

といきなり爆弾を投下していく瀬川紘。

そんな瀬川紘に対し先生は顔を真っ赤にし拳を固く握りしめていた。

『なんでお前がそんなこと知ってるのかとか誰から聞いたのかとか聞きたいことは色々あるがまずは歯を食いしばれ!』

そう言うとドスッという音とともに先生の拳が瀬川紘の腹にめり込んでいた。

瀬川紘は腹を抱えながらバタりと倒れた。

『あぁーあ』

『言わなくてもいいこと言うからそんなことになるんだよ』

そんなことを言いながら倒れている瀬川紘に、

黒髪ロングの女の子が駆け寄る。

『だって仕方ないじゃん』

『先生こうでもしないとホントに最初ので終わりそうだったからな』

みんなが苦笑していると中性的な顔をした男装の女の子が

『だからって先生が隠せてると思ってるけど実はこの部のみんなにはバレてることを言わなくてもいいんじゃない?』とぼそっと呟いた。

………時間が止まったのかそう錯覚する程の静寂。

がそれも先生の驚きの声で壊される。

『なっ!?』

『どういうことだ』

『ホントか?!本当にみんな知ってるのか?!』

動揺する先生にみんなは目を逸らす。

『おいおい、流石にそれ言っちゃうとか鬼かよ

お前…』

呆れ気味に言う瀬川紘に対して男装少女は冷や汗をかきながら

『ご、ごめん口が滑った…』

目をそらされた先生は頭を抱え赤面ししゃがみこんでしまう。

『まぁまぁ先生気を取り直して次行きましょう』

そんな先生を爽は慰めながら次にいくように促している。

だが先生の心のキャパシティはオーバーしてしまったようでしゃがみこんだまま立ち上がる気配すらない。

それどころか軽く病んでいらっしゃるようで、『まさか生徒達に知られていたとは…』、『…もう無理だ』、『私なんて…』とブツブツと独り言が漏れ出していた。

『あぁーあ、紘ちゃんが言わなくてもいいこといっぱい言うから先生また病んじゃったじゃん!』

と爽が言うと

『いやいやトドメ刺したのは朔夜だろ』

冷静に言う紘に対し朔夜と呼ばれた男装の少女は

『えぇー私のせいかよ』

『ちょっと口が滑っただけじゃん』

『割合的には紘が9割で私が1割だろ』

『いやいやいやトドメ指したやつが全部悪いだろ』

どっちが悪いか言い合う2人に

『もう!2人で先生にごめんなさいしてきなさい!』

『じゃないとホントに怒っちゃうからね』

と爽が威圧する。

そう言われると2人とも流石にヤバイと思ったのか、

迅速に動き出し

『『ごめんなさい!』』

と土下座したのである。

だが、先生の心はここに在らずといった感じで全く聞こえていないようである。

土下座した2人も反応がないとどうしようもないのか土下座の体制から動けずにいた。

そんな3人をみていた爽は無言で部屋の隅に置いてあった竹刀を持つとなんと3人の頭にスパパーンと竹刀を打ち込んだのである。

頭を叩かれた先生は衝撃で我に返り後からきた痛みに頭を抱え、瀬川紘と朔夜は痛みで叫びながら部屋を転がっていた。

『3人ともここに正座!』

『早く!』

竹刀で床を叩きながら一喝する。

すると3人の動きが止まり瞬時に爽の目の前に正座し始めた。

『3人とも私が言いたいことわかるよね?』

爽が冷ややかな声で言うと

正座した3人は全身に冷や汗をかき俯きながら声を揃え『『『はい』』』と返事をし

『今回は紘ちゃんの妹さんが来てるからお仕置きはしないけど次はないからね?』

『わかった?』

と爽の怒りの視線とともに贈られた言葉に3人は恐怖と少しの安堵を洩らす。

『じゃあ気を取り直して自己紹介の続きしよっか』

爽はそう言うと自己紹介を進めていく。

『あの3人に任せてたらキリがないから私がパパッと紹介していくね』

『じゃあ皆ホワイトボードの前の円卓に集合』

爽はホワイトボードの前に紗唯を呼ぶと

紗唯を中心に半円になるように皆に座るように呼びかける。

『えぇーと、先生の紹介は紘ちゃんがしたから残りの皆の紹介進めるね』

『多分聞きたいこととか出てくると思うけどキリがなくなると思うから質問は皆の自己紹介が終わってからね』

そう言いながら立ち上がると自らの自己紹介を始めていく。

『まずは私から』

『私の名前は咲良爽17歳』

『趣味は絵を描くことかな』

『 実家が柔術の道場やっててそこの師範代もやってるよ』

『後はこの部の副部長をやってるってとこかな』

『困ったことがあったらお姉ちゃんだと思っていつでも頼っていいからね』

『ていうかお姉ちゃんって呼んでいいからね?!』

『こんな感じかな?』

『じゃあ次はお隣のたっちゃんがやろっか』

そう言われるとたっちゃんと呼ばれた少年が立ち上がる。

『爽先輩、たっちゃんって呼ぶのやめてくださいよ』

呆れた感じで言うと自己紹介を始める。

『僕の名前は永峰達也17歳』

『趣味はフィギュア集めでこの部屋に置いてあるフィギュアは全部僕が集めたものです』

『ちなみに僕は現実の女の子には一切興味ありません』

『以上です』

自己紹介を終わらせると席にすぐつく達也。

達也が席につくと隣のコスプレ男女2人が一緒に立ち上がる。

『僕の名前は皆上由宇音16歳』

『私の名前は橘朔夜17歳』

『『趣味はコスプレ』』

『『男装』『女装』なんでもござれのレイヤーコンビその名もSound Night』』

『『楽器演奏から衣服制作までとことんこだわってコスプレしてます』』

『『宜しければ紗唯ちゃんも一緒にいかがですか!!!』』

『『以上Sound Nightの皆上由宇音と橘朔夜でした』』

ポーズを決めお辞儀をして終わると紗唯は驚きの表情から満面の笑みと拍手が贈られた。

『相変わらず派手だな』

『流石、人前でやってる奴はやっぱ違うわ』

そう言いながら立ち上がると自己紹介を始める。

『俺の名前は瀬川紘18歳』

『趣味はゲームにアニメにマンガにラノベ』

『根っからのオタクでこの部の部長だ!』

『まぁ、俺の妹だしだいたい知ってるだろ』

1通り自己紹介が終わると爽が

『じゃあ最後に紗唯ちゃん自己紹介してくれるかな?』

とお願いすると紗唯は少し恥ずかしがりながら自己紹介を始める。

『わ、私の名前は瀬川紗唯ですっ!』

『えっえーと歳は15で趣味はほぼお兄ちゃんと一緒?かな?』

『あっ、あとはえーと、あのインパクトのある人しか居なかったのでびっくりしてますけどこれからヨロシクお願いします』

そう言いペコリとお辞儀をするとパチパチと温かい拍手が贈られた。

椅子に座ると安心したのか『ふぅ』と吐息が零れた。

『よしよし、良くできたね』

そう言いながら紗唯の頭を爽が優しく撫でる。

『えへへ』と照れ笑いしていると皆も吊られて微笑んでいた。

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