どないやねん

頑張って

　ロッテリアでのインタビュー。22歳男性。マクドナルドでインタビューした24歳女性の彼氏。趣味はサーフィン、Netflix。

「最近幸せですか？」

「んー、普通」

「一度インタビューした人のパートナーにインタビューするのは初めてです」

「そうなんだ。何言ってた？」

「ちょっとそれは秘密なんですが……まあ本人に何話したか聞いてみてください。これまでの恋愛経験をお聞かせください」

「大学までなんもなくて、彼女が初めてだよ」

「なるほど。馴れ初めとかどんな感じでした？」

「えーどこだっけ。あ、そうだ。カフェで店員さんと喋ってたらなんか変な女の人が話しかけてきて、やたらこっちのこと聞いてきて怖かったんだけど、LINE渡しちゃって。でもLINEが面白かったからその後遊んだりして向こうから告白してきたんだった」

「ほほー。やっぱ彼女が積極的なんすねー。どこ遊び行きました？」

「USJとか行ったよ。あと回数で言えばホテルが一番多いかな。彼女がなんか色んな部屋見るのが好きで」

「ふむふむ。インタビューの中に不倫、浮気に関する項目もあるんですが、浮気とかは一切考えてない感じですか？」

「ないね。あったとしても言えないでしょ笑」

「はい笑　これからも順調そうですか」

「いや別れるんじゃないかな。遠距離になるんだよね」

「えっ。あー、就職？」

「そう。大阪を離れるのは多分確実なんだけど、どこ行くかまだわかんなくて」

「関西は確実にないんですか？」

「あるかも。わかんない。でも地方に行きそうな気配がする」

「彼女には言いました？」

「いやー。言えてない。言わなきゃいけない。でも結婚まで考えてたから別れたくない。でも向こうにも結婚の年齢とかあるし。妊娠の年齢も気にしてたし。それだったらいい人見つけてほしいなと思う」

「結局ね、努力の問題なんじゃないかと思うんですよ。あなただけじゃなくて、二人の。本当の愛があるなら、仕事だって住む場所だって選び直せるし。まだ若いし。そこを耐えずに別れようとするのはちょっと違うんじゃないかな」

「そうかも」

「そもそも関係に飽きてたとかそういうことではない？」

「それはない。まあいつも同じことやってるだけになってるけど、安心する」

「ならなおさら、努力と根性と愛の世界なんじゃないかな。だって22歳だよ！？　なんだってできるから。頑張って」

「ありがとう。頑張る」