それはちょっと……
マクドナルドでのインタビュー。24歳女性。会社員。趣味はアニメ、アウトドア、最近はボルダリング。好きなものは二郎系ラーメン。
「最近幸せですか?」
「幸せです〜」
「いいなー。いやー嬉しい。インタビューやってて幸せそうな人の話聞くの超うれしいんですよ。やっぱ幸せなエネルギーをわけてもらえるんで。彼氏と順調ということでいいですか?」
「そうです! ほんとに充実してます。彼氏最高!」
「彼氏最高!」
「昨日も寝落ちまで通話してて、なに喋ったか覚えてないんですけど、時々強く罵られるのがいいんですよねー」
「うひひ。その後優しくされたりして」
「そうですそうです」
「Mなのはどうですか? いつ頃から自覚ありました?」
「たぶん高校の頃にはそうだったと思います。好きな人に冷たくされると自分って価値ないんだなあってじわじわ悲しい気持ちになって、それがいいんですよね〜」
「最高だな〜。馴れ初めとかどんな感じでした?」
「いつも通ってるカフェで彼も常連で、店員さんと談笑してるのを見て、いいなーと思って、思い切って話しかけてみたんですよ。最初いきなりじゃなくて、何回か様子見ながら。そしたらとんとん拍子に連絡先交換できて、一緒に遊ぶようになって。もう会った時からお互いがお互いを必要としていたんだなってわかって」
「おほほほ。どこ遊び行きました?」
「大阪ですねー。海遊館とかドン・キホーテとか天王寺動物園」
「ドン・キホーテ??」
「道頓堀のドン・キホーテに観覧車があって、しょぼいかなと思ったんですけど、乗ってみたらめっちゃ楽しくて」
「へー。あーなんかあるね。あれ楽しいんだ」
「めっちゃ」
「海遊館ねー。みんなとりあえず行くよね」
「それが海遊館の時、彼が上下ジャージで来てボロボロだったんでそれは普通に怒ったんですけどその夜に『なに偉そうにしてんだよ』ってめっちゃ責められて。あれはよかったですねー」
「幸せじゃあないですか! インタビューの中に不倫、浮気に関する項目もあるんですが、浮気とかは一切考えてない感じですか?」
「いいなーって思う人がいても、彼のことを考えると、なにもないですね。彼と違うよさの人もいなくはないですけど、彼が一番なんで」
「ありがとうございます。これからも順調そうですか?」
「いやー。彼が来年就職で、遠距離になりそうなのがちょっと……」
「遠距離ねー。まあ努力次第ですよね。関係を続けるための努力を双方怠らないというのが基本」
「そうなんですよ。とりあえずやってみないとわかんないなってのもあるし。あと大阪になる可能性もまだ全然あるので」
「考えるのは先延ばしにして、とりあえず今を遊ぼうと思ってる感じですかね」
「一人の時とかすごい考えますけど、考えても仕方ないかと思います。なるようにしかならない」
「ですよねー。まあいずれにしてもまた経過報告を聞かしてくださいよ。半年後? 一年後?」
「ぜひぜひ」
「しかしここまでオープンに話してくれると、具体的なプレイ内容とかも聞きたいですね。いいですか?」
「それはちょっと……」
「はい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます