これは友達の話なんだけど
「これは友達の話なんだけど」
「オーケーポリさんの話ね」
「人の話を聞けよ。俺の友達で恋愛コラムニストをやってる人がいるのよ」
「ホヘッ、ふひひ」
「高校の同級生なんだけど、俺はそこそこ当時仲良かったんだよ。大学入ってからは向こうが東京に進学したからほとんど会ってなくて、気がついたらSNSで恋愛相談をするコラムニストを始めていた」
「いやーめっちゃいいな。恋愛コラムニスト、めっちゃ取材したい」
「全然紹介するよ」
「まずは著作物に目を通さないとな。どんな感じでやってる人なん? 商売?」
「ガンガンビジネスやね。雑誌への寄稿とYouTube、プロモーション、エッセイの出版でちゃんとやっていってる」
「いやーいいないいな。そういう人と友達になりたい」
後日、恋愛コラムニスト氏が読者から募った恋愛体験談をまとめた本を読む。これが非常に面白い!
LINE、SNS、マッチングアプリなど現代的な道具を多数使いつつ、やってることは古典的なメロドラマな話が多い。超エモい。
「どうも初めまして。(ポリさんの本名)の大学の友達のへぼと申します」
「初めましてー猥村(わいむら)ポテトです。いやーあはは。面白いですね恋愛小説」
「あ、読んでくれたんですか! うれしー」
「おもしろいですよほんと。うふふ」
「ありがとうございます。さて、今日はですね猥村さんのこれまでのキャリアを振り返っていただくのと、こう、現代の恋愛について大きなこと、なんていうかな、大きな傾向のようなものを軽く語っていただこうかなと」
「そうなんですねー。ええ」
「まずそうですね、ペンネーム、ペンネームですよね猥村って? とポテトの由来についてお伺いしたく」
「あ、それは俺の本名が吉村なのでY村から来てるんですよね。ポテトは居酒屋行く時に必ずフライドポテト頼むから飲み会でポテトって呼ばれるようになって」
「なるほどなるほど。わかりやすい由来ですね。恋愛相談を受けたり、恋愛体験談を読者から募ったりというのはどういった経緯で始められたんですか?」
「恋愛相談は高校の頃にTwitterよくやってたんですけど、友達の恋愛の話とかを短くコメントつきで動画で紹介していったらバズったことが何度かあってそこからハマっていった感じですね。ほら、昔からあるじゃないですか。雑誌とかラジオとか。そういうのに憧れてたっていうか、そういうのの新しいやつをやれたらさぞ楽しいだろうなと」
「なるほど。結構楽しさドリブンの方なんですね」
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