そんな……
「出口は見えてるのかい?」とポリさんが聞く。
「いやまったくだめですね」
「そんな……」
「詰まるとすぐぐちゃぐちゃにしたくなっちゃうんだけど、気合い入ってる時の細部はめっちゃ丁寧に作り込んでるからギャップがひどい」
「でもそれは過程の話であって出口とは」
「関係あるある。結局小説という媒体を選ぶ以上、『物語の形』というものはリアルで、全体の構成から細部が導き出されるし、その逆もそう。すべてのディティールは全体と照応している」
「そう言われればそうかもしれないが。しかし俺には、あの、前半パートは、その、物語の形とかいうものに見えなかった……」
「あれはあれでいいんですよ。前に進もうという意思があるし何より、アー。物語のオチって聞きたい?」
「やめろやめろ」
「じゃあ言うわ。これはねえ、文章を通して作者と読者が気持ちいいことをする話なんですよ」
「はあ」
「ただそんなものはまだ誰も見たことがないからまず雰囲気を出す為に軽くオナニーをしたという」
(いよいよへぼさんやばいのでは)
「まあそう言うなって。錯綜する自意識過剰を受け入れられる人なら、次のステージ、会話に進めるって訳で。オチとしては僕の小説の読者全員が小説に登場して全員で大乱行するの」
「まさか俺はいま通話を通じてへぼさんにファックされてるのか?」
「ファック!」
「なんでこんな目に……」
「いつまでも被害者ぶってんじゃないよ。ファックされたくなけりゃ早く次の獲物、新しいインタビュイーを連れて来い」
「はい」
猥褻に進む。
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