イケメン好きなんで
「恋愛小説の内容っていうのはどういうのやったん」
「えーもう忘れました」
「ざんねん。えーと遍歴を振り返ると高校と大学と社会人になってからでそれぞれ彼氏がいて合計三人?」
「三人ですね」
「三人の共通点とかはある?」
「顔はいいですね。イケメン好きなんで」
「ほー。それぞれ別れようと思ったのは環境の変化? それとも気持ちの問題?」
「どっちもです。関係が続くんかなーと思った時に気持ちが冷めてたら、まあ。話し相手は欲しいんですけど仲のいい友達いるしまあええか的な」
「えーと、浮気をした相手、バイト先の先輩とはもう連絡とってないとのことでしたが、同性愛の彼女のことは思い出したりする?」
「今でも普通に食事行ってますよ。別に普通で、向こうに彼氏もできたし」
「なるほど……こうやって淡々と交際情報を僕に提供してくれるのありがたいですわ」
「女の子とキスした話は今初めて人に言いました」
「それだけ信頼されているというのはありがたい」
ここで僕と彼女の昔話が挿入されて、どのように信頼関係が構築されてきたのかという描写が入る。
「小学校とか中学校はどうです。それ以前でも性を意識した瞬間とか」
「中学校は先生で好きな人がいてめっちゃ執着してました。今で言う推しみたいな。でも日々エッチさを味わってただけで行動はしてないんで。小学校はどうかなあ片思いとかしてたかもわかんないですね」
「エッチさ。エッチ! エッチ!」
「九十ぐらいいってません?」
「いってますね。すいません。セクシュアリティを一言でいうとどうなんですかね」
「えーどうなんでしょ。前にちょっと調べたらパンセクシュアリティかなあとは思いました」
「なるほどですね」
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