第6話

俺だって可愛いなーとか

美人だなーとか、思ったことは何度もあるけど。


一度も会話したことない。

恐れ多くて近づけないんだ。


だってさ、睨まれたら

一瞬で、竦むもん。


例えば、告白なんかしたら、


滅茶苦茶キツイこと言われて、

振られることは目に見えてる。


俺は母子家庭で貧乏な見た目冴えない陰キャ。


だからな、


遠慮して、声をかけることさえ、

躊躇ってる。

クラスの男子共は、


「おはよー」

「氷室さん、今日もかわいいね」


などと、廊下や教室で話しかけているが、


彼女は目もくれず、無視。


高校デビューを終えたお洒落男子でさえ、

そんな対応されてんだから、

俺なんか、どんな罵声を浴びせられ、

はたまたギロリと睨まれるか分かったもんじゃない!



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