6話 殺しはだめだよ
次の日、アルマは動物殺傷事件の犯人の男達を無事『ウッド』の街の警備に連れて行き捕まえることができた。金髪の青年は男達とは無関係であることが判明する。
竜巻に巻き込まれ足取りがふらついている青年に謝罪する。
「にゃぁ...。」
「もういいよ。そうだ。魔王の宣告について君は何か知ってる?」
首を横に振る。
「そ。それじゃ、僕行くね。じゃあね。」
青年は何も気にしてない様子でその場を去ろうとする。
まだ話は終わってないとその足にしがみつく。殺さずを誓うアルマは青年が犯人の男達を殺そうとしたことを注意したかった。
「にゃあ!」
「えっ?殺し?それの何がいけないの?」
「にゃ!?」
青年が言い放った言葉に愕然とする。青年はなおもキョトンとしている。人を殺すことの何が悪いのかわからないようである。
その時、アルマは天命を感じた。
この何も常識を知らないような男を立派な人間に公正することが自分の使命なのではないかと。そう思い込んだ。
幸いその青年も魔王の宣告について調べたいようである。青年のその旅に着いていき、少しずつ公正を目指せばいい。
青年の足に擦り寄り着いていきたい旨を伝える。
「いいけど。」
すんなり受け入れられ、その青年の旅にアルマは着いていくことになった。
◆
青年の目の前で、白い猫が地面にへたくそな蛇を必死に描く。
「自分の名前のつもり?君の言葉はなんとなくわかるからそのまま喋って大丈夫だよ。アルマね。僕の名前も知りたいの?」
アルマが頷く。
青年は木の枝で地面に『DE』と書く。三文字目を書こうとした時、
『貴様は馬鹿か!?素直に本名を明かすでない!魔王であるとバレるだろうがぁぁあ!!』
「うわ!?」
青年の頭の中で魔王ディーンの怒声が響いた。本名である『DEEN』はダメなようである。
アルマはキラキラと輝いた目で続きを待っている。青年はなんとなく手前にEを足し、最後にNを書いた。
『EDEN』
「うんと...僕はエデンだよ。」
「にゃあ。」
「そう、エデン。よろしくね。アルマ。」
こうして、エデンとアルマの旅が始まった。
しばらくした後、エデンの頭に魔王ディーンの指示が響く。
『その魔女は使えそうだ。利用し用がなくなったら殺せ。』
エデンは無感情にアルマを見た。
「いいけど。」
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