外伝3 お疲れさま会

※ほぼ会話文です。雰囲気をお楽しみください。



 ユリ一行と勇者一行は魔王城での戦いが落ち着いた頃、合同で飲み会をすることになった。



「かんぱーーーーーい!」


「ちょっとマイ?まだ飲み物届いてないよ?何で乾杯するつもりだったのかな?お水飲もうか。」


「う、うわぁぁ!大丈夫だエデン!すまなかったぁぁあ!」



ユリにジュース、ユーキにビール、エデンにウイスキー、ボドーにカクテル、マイに日本酒、モンペンにミルクが用意される。



「よーし!気を取り直して!」


「「「かんぱーーい!」」」


おわ!?完敗!?なんでそんなこと、皆で喜ぶんだ!?人間わかんねー。


「お疲れ様でーーす!」


「魔王倒すの大変だったね。」


「勇者、お前が言うな。」


「かんぱーーい!」


「ボドー惜しい。ちょっと遅かった。」


「みなさん、お酒飲めて羨ましいです。私も早く成人したいなぁ。」


「ユリは成人したら美人になるぞ!間違いない!この手の平サイズの胸がどれくらいになるか楽しみだ!」


ふに


「わぁ!?マイさん!?な、なにを!?」


「!?」


「ほうほう...。隣の恋人が動揺してるな...。お前らはほんと楽しいな。」


「まだ違いますよ。私の一方的な片想いです。」


「!?」


「え、僕、てっきりユリちゃんとユーキはもう特別な関係だと思ってた。違うんだね。」


「特別と言えば特別ですよ。私が無理くり通した形で。それで、ユーキは仕方なく...。」


「......。」


「...む?ほうほう!なるほどな!ユリ!ユーキ!お前らは最高だ!私は応援してるぞ!」


バクバクバクバク


「あれ?俺の飯がなくなっている?誰か知らないか?」


さぁな。ゲフッ。


「ボドー君。この世は速い者が勝つのだよ。」


「マイか?マイなんだな!?マイィィィ!!」


「私じゃない。隣の鳥に聞くんだな。」


知らないな。ゲフッ。


「そうそう!マイさんって素早くて強くてかっこいいですよねー。憧れちゃうなぁ。」


「ユ、ユリ...。そんな...。褒めても何も出ないぞ?」


「マイが速いのは動きだけだからな?奥手過ぎて歯痒いんだからな?」


「なになに、何の話ー?」


「きゃああああ!ボドー君!黙れーーー!」


「ごふっ!?」


「マイ、顔が赤いみたい。大丈夫?」


「ぴ!?ち、違うからなエデン!?私はただお酒に酔ってるだけだ!うおおおおお!」


「あ、あ、マイさん日本酒そんなに煽ったら危険ですよ...。」


「うぅ〜お花畑が見える...。少し花でも摘んでくるとしよう...。」


「お花ね。僕も一緒に行くよ。」


「エデンさん!?それは絶対いけません!私がマイさんを連れて行くので大人しく座っててください!それでは!」




.......よし!行ったな。今のうちに食っといてやるか!


「ユーキ、手を貸してくれてありがとね。助かったよ。」


「別に...。礼を言うならユリだ。」


「わかった。じゃ、ユリちゃんが戻ったら思いっきりお礼しよっと。」


「ユ、ユーキ...。エデンには注意した方がいいからな?俺は言ったからな?」


「ん?どういうことだ。」



「た、ただいまです...。あのマイさんが一瞬で停止した...。お、お酒ってすごいです...。魔法のようです...。」


「むにゃむにゃ。」


「ユリちゃん。」


「え?どうしました?エデンさ...」


「ありがとーーーー!助かったよーーー!ユリちゃんーーー!」


ぎゅうううう


「わああああ!?」


「エデン!やめといた方がいいと思うぞ?ユーキが剣抜いたからほんと、もうやめといた方がいいぞ!?」


「おい、勇者。お前はやはり死ぬべきだ。」


「はぁ?僕、君に言われてお礼してるんだけど?」


「むにゃむにゃ?」


「マイ、俺ひとりじゃ無理だ!起きてエデンを止めるんだ!!何故なんだ!?何故お前はいつも肝心な時に動けないんだーー!?」


「あ、あの!エデンさんの気持ちは十分に伝わりました!そろそろ離してください...。」


「僕の気持ち?そうだね...伝わるかな?」


「え?」


「アルマ!」


ぎゅうううう


「わああああ!?」


ズバッ


お、俺の、羽が...。


「おっと。ユーキ、酔っ払ってるの?こんな個室で手合わせなんてするつもりないんだけど?」


「表でろ。馬鹿勇者。」


「ユーキ、やめてください!いつもの冷静なあなたじゃないですよ!?」


「今回は譲れない。勇者は殺す。」


「やだよ。まだ僕償ってないし。」


「むにゃ...世界の終わりだ...むにゃむにゃ。」


「マイ!?世界の終わりってなんだ?この二人が災いを起こすのか!?」


災いなら、もう起きてるぜ...?ここに...。


「皆さん、落ち着いてください!むぅ...なんとかしないと...。とりあえずみんなで仲良くグラス開けましょう!飲んで飲んで〜!」



ユリの器用なコールにつられて全員飲みまくった。



一時間後。



なんだ?この地獄のような光景は...。これが本当の災いか...?


「ああああああああああ!?エデン!?ほんとにエデンなのか!?ここにいるのは本物なのか!?夢じゃないよなぁあああ!?」


「はーい僕だよ。泣かないの。ほらボドー、お水飲んで?」


「おいゆうしゃさっさとのめ...。」


「はぁ?君、何言ってんの。僕もう飲んだって。ユーキの番だよ?早くそれ、空けなよ。」


「あははは!ユリはかわいいなぁ!」


ふにふにふにふに


「わあああ!マイさん!やめてください!」


「ユリちゃんごめんね。マイ寝て起きたら甘えたになっちゃうんだよね。」


「甘えたのレベルですか!?これが!?というか、エデンさん、ウイスキー2本空けたのに全然酔ってない....強いんですね...。」


「そうかな。お茶とそんなに変わらない気がするけど。」


「あははは!ユリ!私が大きくしてやるからな!」


ふにふにふにふに


「ひ!?エ、エデンさん、ちょっと、場所を交代してもらっていいですか?マイさんをどうにかお願いします。」


「いいよー。よいしょっと。」


「ばかゆうしゃにげんじゃね...。」


カチン


「...逃がしてあげるんだよ、ばーか。」


「うんしょ。ユーキ、お疲れ様です...。相手はお酒の魔王ですよ?ビール一杯で酔っ払っちゃう雑魚なあなたには叶わないんですよ...。」


「はっ!モンペン!?お、お前...その体格!その目!!俺の生き別れの兄弟か!?いや違った妹だったよな!?」


こいつ、狂ってやがる。


「ゆり、せいじんしたらいっしょにのむぞ...。」


「わぁ!是非!楽しみですね!」


「あははは!エデン!お前は相変わらず良い手をしてるな!」


ふにふにふにふに


「ふふっ。ありがと。マイもこのほっぺ、かわいいよ?」


ふに


「な、なぁ?モンペン?...抱きしめていいかな...?いいに決まってるよなぁぁあああ!?」


ぎゃあああ!!誰か助けてくれ!!


「ゆり...。」


「ユーキっ!」


「エデン!」


「マーイ?」


「モンペンッ!!!」


ぎゃああああ!!ぎゃああああ!!









「好き」











  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る