END2 器用に、不器用に
魔王城にて。
冒険団は魔物との戦闘を続けていた。すると突然、全員の体が謎の力により宙に浮いていく。
「お!?なんだ!?何が起きてる!?」
辺りの風が段々と強さを増し、巨大な竜巻となって冒険団を襲った。
「ぎゃあああぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
竜巻に飲み込まれ、全員が空中で円を描くように回る。
「あああああぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
剣を持つ者はいつそれがお互いに命中するか恐怖に震え、盾を待つ者は風に煽られ回転の速度を増した。
「あああああぁぁぁぁぁぁああああ!!!」
空に大勢の絶叫が響き渡る。
「ああああ!!ああ!?あああ?...あ?」
いつのまにか地面に引きずられるように着地しており、全員脱出を果たしていた。
その後、魔王城は海に墜落し静かに爆発した。
魔王城と魔王が姿を消した後、この一帯の地域の人々の連帯感は格段に増した。
このような破壊の対象とならぬよう、平和を求めて尽力する者が増え、人間同士の紛争は減少したという。
勇者一行はその後も各地を回り、人々の救済に邁進した。
赤毛の女剣士は気が早いが行動力に溢れ、仲間が迷った時には体を張って選択肢を示した。
青髪の格闘家は自信がないが、周囲をよくみて、いかなる切迫した状況でも慎重な選択肢を示した。
勇者はそんな仲間に支えられながら、その純粋さと優しさで人々に希望の光を灯して回ったという。
次の日。
宿のベッドにて、ユリが目を覚ます。
ユリが横をみると、モンペンがスピスピと寝息をかいていた。
「起きたか?」
「起きてません。」
「起きてるだろ。」
「起きてません。」
「全く、お前は...。」
「!!」
「わああああああ!わああああああ!」
「はい起きたな。」
「行くぞ。ユリ。モンペン。」
俺は彼女の手をしっかりと握った。
⭐︎デコピンです。
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