第12話 夜の国の謎②
次の日、一行はそれぞれ役割分担をし、情報収集することにした。
ユーキは身を隠しながら国民の調査。
ユリは器用さを生かし城へ潜入。
モンペンは、外に出るにはあまりにも違和感があったので、改造された屋根から顔を出しのんびり夜空を見上げてもらった。『夜空のモンペン』と名付けられた。
二日後、みんなで情報を整理する。
王様はユーキが殺した後、若い青年が即位していた。それにより、理不尽な虐殺は収まったが、王族は誰かが自分達を狙っているという妄想で他者に攻撃的になっている。制約に背いた国民は処刑されていた。
国民は生気なく生活している。最低限の生活をし、畑や家畜は荒れていた。
夜空は動いていなく綺麗だった。
「結構、人の精神が壊れているようですね。わかったのは時が止まっているわけではないということです。」
ユリは魔法使いの知識から分析する。
「時を止める魔法はありますが、その領域内の対象を選ぶことはできません。その範囲の作物は枯れないし、人も動くことができないはずなんです。」
「空だけが止まっているように見えるということか...。」
一行はその正体がわからず頭を悩ませた。
次の日、『夜空のモンペン』に異常が起きる。
いつもの白い毛並みは青くもっふもふに立っており通常の1.5倍の面積になっていた。目が血走って固まっている。
「今日はいつになくトランスしてますね。何かありましたか?」
ユリが尋ねる。
モンペンはペンペン語りだした。
俺は今日も夜空を見上げていた。星を数えて、線を引いて、絵を描いたりしていた。
すると小さい鳥がやってきて空高く飛んだ。俺は飛べないから気持ちだけ一緒に空を飛んだ。すると突然ぱくっと相棒は消えた。
その時、俺はこの暗闇の正体がわかった。もう夜空は見上げられなくなった。
「とのことです。」
ユリがモンペン語を通訳する。
「なるほど。」
ユーキもその正体を理解する。
ユリも気づく。
「私もわかりました...。」
声は少し震えてしまった。
『夜』は空に張り付けられている幻影の魔法だとしたら。
その奥に『何か』が隠れている。
この国の空を幻影で覆わないといけない程。
大きい『何か』。
「それをどうやってこの国から出すかですね。」
「魔法だろうな。ユリ、やってみろ。」
「え!?私ですか!?」
ユーキの無茶振りにユリが驚く。
.すいません...。今までの通りなら、良くないことが起きる気がします...。できるだけ魔法には頼りたくないです...。」
ユリは今までみてきた光景を思い出し、震えながら俯く。
「その時は俺が止める。」
モンペンは弟の後姿をみてふるっと震えた。
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