暗殺された帝の実妹、すなわち必然的に次の帝となるべき女性である、炊屋姫の物語。
歴史もの、それもなかなか珍しい(たぶん)飛鳥時代を描いたお話です。
分量にしてわずか1,000文字強と短く、そのため非常にとっつきやすい掌編。
物語そのものはあくまでワンシーンという趣ながら、その土台には歴史上の重要事件が据えられており、しっかり歴史ものらしい雰囲気に浸らせてくれるところが魅力的でした。
一応、前提となる知識がなくとも(平たく言うなら歴史を知らなくても)作品自体は読めるのが嬉しいところ。
そして知っていればなお楽しめるであろう、壮大な歴史の流れを感じさせてくれる作品でした。