第6話
彼女を連れて我が家へ戻った。
「さァ、どうぞ。マリア!!
自分の家なんだから遠慮なくね!!」
ボクは精一杯、明るく招いた。
「スゴいお屋敷ねェ……。セレブなの?!
ノアッて!!」
彼女は屋敷の中をキョロキョロと見回した。
「フッフフ、大したことはないよ。お祖父さんの遺産だ!!」
確かに亡くなった祖父は
「素敵ねえェ……。本当に私、ノアと結婚したの」
「あァ……、ほら、これが証拠だよ!!
スマホの画像を見せただろう。
これが新婚旅行の時の写真だ」
スマホを見せた。ロスアンジェルスへ行った時の写真だ。
「ええェ……(. ❛ ᴗ ❛.)!! そうね」
だが、彼女は愛想笑いをした。まったく覚えていない様子だ。
「まァ、じきに思い出すさ!!」
ボクは彼女のバッグに回り遠慮なく、お姫様だっこをした。
「キャァ……ッ!!」
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