第4話 記憶喪失

 その夜は、安静にすると言うことで翌日、改めて脳の精密検査を行った。



 だが、結果はかんばしいとは言えない。



 担当医師に呼ばれ個室でマリアの病状をうかがった。


「えェ……?! 記憶喪失……!!」

 マジか。思わずボクは立ち上がりかけた。



「ハイ、詳しく申しますと短期記憶喪失障害と言いまして……」

 レントゲン写真を指し示しながら丁寧に脳のメカニズムを説明をしていた。



「ハイ……」頷いたは良いものの、長々と難しい専門用語で説明を受けた。


 しかし、あまりの衝撃にまるで内容を覚えていない。



 ようやくボクは担当医師に聞き返した。

「つまり……、早い話しが、一日寝ると記憶がリセットするッてことですか!!」

 手っ取り早く言えば、そういう事なのか。


 まるでどこかの映画か、ドラマのようだ。



「ハイ! そうです。おそらく事故の後遺症でしょう。まだまだ脳のメカニズムは解っていません」



「じゃァ、すぐに治るんですか!!」

 希望はあるのだろうか。


「そうですね。思ったよりも早く回復するかもしれませんし……。

 『かなり時間』がかかるかもしれません」



「ンうゥ、『かなり』……、ですか?!」

 まさか。自分の妻が記憶喪失になるなんて……。


 


 こんなアンラッキーに巻き込まれたのもボクが浮気なんてしようとした所為せいなのだろうか。






  






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