第5話 今から帰宅
それから2人は長い時間遊び、日が暮れ夜になった。
「もう夜だな…そろそろ帰るか。というかエモリンはこれからどうする予定なんだ?地球には家も無いだろうし」
「私は…あれを家代わりにして生活して行こうかと思う!」
エモリンはちょうどいい家を見つけたというような気分で、ドーム状の遊具を指さした。
一応人が眠れるほどのスペースはあって、雨が降ったとしても凌げる構造だ。
「オシャレだし、私が地球で生活する上での素敵な家になってくれそう!」
「…聞いた俺が馬鹿だった。流石に公園で女の子1人が寝るのは危ないし、警察に見つかったら補導される可能性もあるから無理だろ」
自信満々に自分の家に適しているというエモリンだったが、球太にはあっさり否定される。
地球で行くあてが無さそうなエモリンに聞いた事を、無駄だったと少し後悔していた。
「そっか、ここに住むのは無理なんだ…。ちなみに警察の補導って何なの?」
「簡単に言えば大人はされない事だけど、子供である俺らは夜中に外にいたらその人に連れて行かれてしまうんだ」
「何それ!?年齢で決められちゃうなんて嫌な事だね…それも1つの地球の文化なのかな」
公園に住めない事と警察の補導の事を知り、とてもショックを受けた。
エモリンが想像していた地球と違い実際は、宇宙とはかなり異なっていた。
「じゃあどうしよっかな〜…なんとかなると思っていたけど実際は違ったみたいだし」
「…行くあて無いなら俺の家で生活するか?」
エモリンが困っているのを見かねて、球太は助けようと思い自分の家を提案した。
「…いいの?ありがとう!これで連れて行かれないで済むよ。宇宙人の解剖とかになったら大変だもん!」
地球には知り合いもいない家もない、その厳しい状況の中で球太が助けてくれたので、とても感謝をして一安心する。
「…解剖とかいきなり怖い事言うなよな。まあ家に住むからそんな事にはならないが」
エモリンから突然恐ろしいワードが出てきて驚いた。
「じゃあ話は決まった事だし帰るか」
「うん、家まで案内お願い!」
そうして2人は公園から出て行った。
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