第4話 超次元で遊ぶのも楽しいかもな!

「おぉ〜、椅子のようなちょっと違うような不思議な感じだね!そしてこの2本の物だけで宙に浮かばせてるのもいいアイデア」

「椅子としても使えるけど、あくまでも遊具として考えられた物だからな」


 エモリンは人生で初めてブランコに座ったので、色々と感動していた。

 球太の説明を聞きながら前へ後ろへ、ブランコに座り漕ぐ。



「じゃあそろそろ、このブランコを活かして宇宙人ならではの遊びを始めるね!」

「え?宇宙人ならではのって…」

「ふっふっふ、これだよ!」


 球太は突然よく分からない事を聞いて疑問だらけになる。

 エモリンは地球人のように普通にブランコで遊んでいたが、宇宙人としての遊び方もやってみたかったのだ。

 そして…


「危ない!何してるんだ!」


 ブランコに座ったまま思いきり前に漕ぎ進み、なんと勢いよく一回転した。

 いきなりそんな事をしたので球太は驚き怒る。


「え?なんでそんなに怒ってるの?危なくないよ〜」


 そう言ってまた余裕そうに1回転する、そしてその勢いのまま戻ってくる時に飛んだ。

 普通の人間にはできない程遠くまで飛んでいる。


「うわ、もっと危ないぞ!そんなの上手く着地できないだろ!…え?」


 1回転するどころか飛んだ事に対してさっき以上に驚く。

 …しかし球太の心配は無用だったのか、崩れる事無く着地した。


「えへへ、危なくなかったでしょ?」

「…ふぅ、心配させるなよ、それは宇宙人の力って事か?」


 エモリンは楽しそうに2度目の危なくない発言をする。

 本当に危なくなかったので、球太はようやく冷静さを取り戻し、その普通の人間ではありえない事を聞いた。


「そうだよ〜。宇宙の人間はとても耐久力や運動能力があるんだよね!だから私がさっき、宇宙からやって来た時に落ちた事も平気なの」

「それもそうか、あの時に怪我1つ無いのなら今のブランコも大丈夫だよな。やっぱり宇宙人は俺らより優れてるな」


 能力がある事と1番最初に落ちた時の事を、今のブランコの事と組み合わせたら簡単な事だったと納得がいく。


「じゃあ一緒に更に仲良く遊ぶ為にも、球太にもこの力貸そうか?」


 エモリンは、球太とも同じようにこの能力を活かして一緒に遊びたいと思い提案する。


「は?地球の人間に能力を分け与える事も出来るのか?」


 提案に対してそれは宇宙人にしか出来ない事だと思ったから、球太は信じられないという顔をして言う。


「そうだよ〜。力を与える対象は誰でも大丈夫なの!どう?使って宇宙人としての公園遊びしてみない!?」

「…公園遊びとしては非日常的すぎるけど、こんな事今までの生活じゃ出来ないし、とても面白そうだな。やってみるか!」

「わーい、やった〜!」


 どうせなら一緒に面白い事を楽しみたいと思い、非日常な宇宙人の能力を球太も使ってみる事にした。

 エモリンは嬉しくて高く飛び跳ねたりと、とても喜ぶ。


「私1人能力使うんじゃなく球太とも一緒にこの公園で思いきり楽しめるなんて地球に来てよかった!…じゃあ力を与えるね、えい!」


 地球に来てこんな事が出来ることで本当に良かったと思い、エモリンは手から光を放った。


「うわ!………ふぅ、驚いた。今ので本当に俺、変わったのか?」

「変わったよ〜。例えば今、飛び跳ねてみて」


 光を浴びたが、その後の球太の体の感覚としては普通なので聞いてみた。

 エモリンは宇宙人の能力を試す為に、例として飛び跳ねてみる事を伝える。


「………お、高く飛べた!!地球人には出来ない事を今の俺はしているんだな。ありがとな!こんな楽しい事今までの人生じゃ味わえなかった」


 普通の人間には飛べない高さにとても感動し、エモリンに対し嬉しそうに感謝した。


「…よし、じゃあさっきのエモリンのように超次元ブランコしてみるか!」

「超次元か〜!その名称を付けるのいいかも!」


 そして球太は普段よりテンション高くブランコで遊び始めた。

 エモリンは宇宙人の力を使い、地球の遊具で遊べる事をとても幸せに感じ遊んだ。

 そして放課後の時間は段々と過ぎていった。

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