第3話 球太の事を知りたいな!

「じゃあこれからよろしくな」

「…?うん、でもそれは一体どういうもの?」


 球太はエモリンに対して手を差し出した。つまり握手をしようとしている。

 だが宇宙人にとっては文化が違うからか、エモリンには意味が分からなかった。


「あ〜…これは握手って言ってな。地球人は仲良くしたい人間とかに対して、挨拶としてこう手を握って友好を深めるんだよ」


 球太はそう言い終わった後、エモリンの手を握った。


「なるほどなるほど!これをしたら地球人と仲良くなれるんだね。とっても素敵な方法」


 説明を聞いて納得したので嬉しそうに手を握り返した。


「仲良くなるという握手もした事だし、球太の事をもっと沢山知りたいな〜!」

「そっか、俺の事を知っていけば地球人という人種を色々と学べるかもしれないし、それもいいかもな」


 エモリンは球太の事をこれから知っていき、どんどん仲良くなりたいと強く思い、伝えた。

 だが目の前にいるとても可愛い少女が、自分に対してそんなに強く興味があるかどうか確信がないから、球太はわざとずらした返事をしてみた。


「違うよ。いや、それも宇宙人の勉強としては大事だけどね!宇宙にいる友達と同様に球太自身の事を知って、単に仲良くかけがえのない時間を過ごしたい気持ちからだよ」


 気持ちが上手く伝わってないと思い、エモリンはしっかりと自分の気持ちを球太に伝える。


「宇宙にいる友達と同様にか、分かったよ。それならお互いどんどん知っていこう」


 エモリンからはっきりとした言葉を聞き、球太自身への意思が伝わって嬉しく思う。

 勉強の為に友好を深めるのじゃなく、個人としての気持ちが良かったのだ。



「じゃあ気を取り直して、私が球太自身の知りたい事〜!今、公園に来ている目的は?落ちる場所と決めたから事前に公園の事は調べたんだ。遊んだりのんびりしたりする所なんだってね!」


 エモリンは、今現在公園に来ている球太の事について聞いた。

 落ちる前に公園の事を調べていたので、どの答えが返ってくるのだろうと思い、瞳をキラキラと輝かせていた。


「…目的は無いな」

「え〜!?無いの?公園という場所は目的があって来るのかなと思ってたよ…」


 エモリンのキラキラした瞳に対し、球太は表情を変えずに目的が無い事を言う。

 その答えと事前に調べた公園の事が一致せずにエモリンは驚くばかり。


「のんびりする為に公園に来たのとはちょっと違うしな。ただ気まぐれで入って、そこのブランコに座ってただけさ」


 公園利用で一般的なのんびりする為に来る事と、自分の今日の事はあえて違うんだと言う。

 そしてエモリンが落ちてきた事により、ブランコから降りて離れていたからそこを指差し座っていた事を伝えた。


「なるほど〜。調べて出てきていた、前と後ろを行き来するっていう例の遊具だね!」

「そうそう、そんな感じの物だ。まあ主に子供が思いきり遊ぶやつだな…座ってみるか?」


 2人はブランコの事について色々と話した。

 そして球太はまだブランコに乗った事の無いエモリンに座る事を提案した。

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