第4章 剣術大会

第3章のおさらい

〈舞台〉

武人の国ムサシ

武人の国と呼ばれ、武術に秀でた者が優遇される国。刀を持つ武人が特に地位が高い。農民等は貧しい者が多い。

魔法の国と呼ばれるポルツとは敵対しており、魔法そのものを認めない風潮。だが赤髪の忍いわく、ムサシの武術も系統が違うだけで魔法を使用している。



〈主要人物〉

織田マキ

山賊に絡まれた際、偶然とはいえ一撃で倒すなど、赤髪の忍のスパルタ指導が実を結びつつある。

警志隊を嫌い、偉そうな態度をとってきた警志隊の総統である鞘伏宗玄に強く当たったが、真摯に接する彼を見て少し後悔した。だがすぐに鞘伏の態度が戻り疑問を抱いた。


赤髪の忍

本名、素性不明の男。マキからは「忍さん」と呼ばれている。

鞘伏から名を尋ねられ依田と名乗るが、当然のように偽名であった。

マキは赤髪の忍が逢芭アヤメに対して特別な感情を抱いていると考えている。

斬原龍刃とは過去に戦ったことがあるらしいが、対面しても途中まで気付いていなかった。


逢芭あいばアヤメ

町で護身剣術道場を開いている美女。その道場の門下生ユリを人質にされ、山賊の護衛をしていた。剣の腕に関しては赤髪の忍ですら底が見えないと言わせるほど才能にあふれるが、一方で人を斬ることができず、力があってもユリを救えない自身の弱さを嘆いていた。

同じく門下生のミズキがマキ達に助けを求めたことで赤髪の忍に救われた。過去にも赤髪の忍に出会っており、それが剣を始めるきっかけとなっていた。


斬原きりはら龍刃りゅうじん

戦闘狂の異名を持つ、ムサシ国防軍の白兵部隊長。

マキとすれ違う時は何故か横目で見る。

赤髪の忍と過去に接触があったようで、彼を見るや否や取り乱し、その後は弱々しい姿で去っていった。鞘伏いわく昔と今では性格が違うらしい。


鞘伏さやふし宗玄そうけん

現役最強とも呼び声高い剣の使い手で警志隊総統。

ベイと喋ると常に漫才のようになる。

警志隊の在り方を問題視しており、警志隊へのマキの指摘について否定せず真摯な態度で謝罪した。


ホーミー・ベイ

小柄で白髪の男。マキいわく下っ端感がある。

鞘伏と漫才的なやり取りばかりしている。どさくさに紛れて鞘伏の悪口を言ったりもするが、マキが鞘伏に噛みつく言動をした際はいち早く反応した。

赤髪の忍が隠れていることを見抜くなど、気配感知に関しては優れているが剣はあまり得意ではないよう。



〈物語の要約〉

 赤髪の忍に仕事を探せと言われ、困っている人を投げやりに探すマキ。中々見つからず困っていたマキに一人の女性が話しかけてきた。

 女性の名はミズキで、マキ達が前日にいざこざを見ていた護身剣術道場の門下生であった。ミズキは門下生を人質に山賊の護衛をさせられているアヤメを救ってほしいと依頼する。

 依頼を受けたマキ達は早速山賊の潜伏先に向かう。

 マキは人質の救出を赤髪の忍に命じられた。赤髪の忍は正面からアヤメと対峙する。

 救出の機会を伺いつつ二人の戦いを見ていたマキは背後にいた山賊に話しかけられても気付かずにあわやという状況になったが、肩を掴まれた反射で山賊に偶然裏拳を食らわせて撃退した。

 激戦が続く中、山賊が姿を現し人質に危害を加え、アヤメを焚き付ける。

 覚悟を決めて赤髪の忍に斬りかかったアヤメだったが、彼女は最後まで人を斬ることができず崩れ落ちた。

 赤髪の忍に言われ、自身では助けられないと悟ったアヤメは自力で何とかしようという考えを止め、赤髪の忍に助けを求めた。

 爽やかな笑みで受け答えた赤髪の忍はアヤメを気絶させ山賊に対峙する。マキは赤髪の忍の作った隙を生かそうと奮起したが、彼はマキを囮にすることで山賊をかく乱し、撃退に成功した。

 赤髪の忍に言われ、アヤメの目覚めを待つことなく二人は場を後にする。

 意識を取り戻したアヤメは、赤髪の忍が過去に剣を教えてくれた人だったと分かり、お礼を伝えたかったが姿がないことを残念に思うと同時に、ミズキ達にからかわれて頬を赤く染めた。


 道中で見つけた団子屋に一人で寄ることになったマキ。そこでチンピラ達が団子屋の店主に絡む場面に遭遇する。

 チンピラ達の前に立ち上がったのは、マキも見覚えのある長身の男だった。

 その男は戦闘狂の異名を持つ斬原龍刃で、チンピラの刀を食らってもピンピンしており、今にもチンピラを斬ろうというところで、今度は警志隊総統の鞘伏宗玄が現れ、斬原を蹴り飛ばして制止させた。

 少し遅れ、鞘伏を追いかけてきたベイが合流するとマキは二人から事情聴取を受ける。そこでの鞘伏の態度に苛立つマキ。

 ベイは赤髪の忍が隠れていることに気付く。赤髪の忍の登場により一触即発かと思われたが戦闘にはならなかった。ただし苛立ちがピークに達していたマキは鞘伏に不満を述べる。ベイはそんなマキに食って掛かろうとするが、鞘伏は真剣な表情でマキから話を聞き、聞き終わるとマキに対して頭を下げ、警志隊を改革していくとマキに宣誓した。

 鞘伏達が去ろうとしたところで斬原が目を覚ます。

 斬原はマキ達を見た瞬間に血相を変え、いきなり斬りかかったが赤髪の忍に軽々と対処される。その後から明らかに動揺しだす斬原。彼の態度を最初は疑問視していた赤髪の忍だが、何かに気付くと「死にたいなら勝手に死ね」と斬原に言い放った。その途端、斬原は戦意を失った。

 鞘伏はその様子を見て、斬原が過去に赤髪の忍と対峙して負けたことで昔と大きく性格が変わったのだと理解した。

 鞘伏達が去った後、マキ達は別れ際に鞘伏が言っていた剣術大会に興味を持ち、開催される街を目指すことにした。


第四章も三人称ベースです!

舞台はムサシのままですが、場所が変わるので多少言語等も変わったりします。ちょっとずつ赤髪の忍の指導が本格化していき、あまり触れていなかった魔法についても!?

新たな登場人物とマキの成長が見られる章です。

また、あの人と再会!?となりますが、果たしてそれが良いのか悪いのか……

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