第3章 葛藤
第2章のおさらい
〈舞台〉
武人の国ムサシ
武人の国と呼ばれ、武術に秀でた者が優遇される国。刀を持つ武人が特に地位が高い。農民等は貧しい者が多い。
魔法の国と呼ばれるポルツとは敵対しており、魔法そのものを認めない風潮。だが赤髪の忍いわく、ムサシの武術も系統が違うだけで魔法を使用している。
〈主要人物〉
織田マキ
赤髪の忍の元で忍を目指す少女。赤髪の忍の言動やスパルタ指導に翻弄されながらも日夜奮闘中。
成長も見られる中、友達になったと思った少女カオリに殺されかけるなど過酷な場面にも遭遇し、自身の未熟さを痛感した。
赤髪の忍
本名、素性不明の男。マキからは「忍さん」と呼ばれている。
日々マキを厳しく鍛えている。夜は情報収集のため外に出ることが多い。
マキを拐った男を警戒し、そのあまりにも過剰な対応にマキからツッコまれる場面もあった。
逢芭アヤメと面識がある模様。
長身の武人
マキが最初の町ですれ違った男。マキは彼から何とも言えない不気味さを感じた。
すれ違う一瞬、マキに視線を送ったものの特に何もせず通り過ぎていった。
町で護身剣術道場を開いている美女。絡んできた武人を木刀で軽々と制裁してしまうなど、剣の実力については赤髪の忍に「最も剣の才能がある」と言わせる程。マキは実力と美を兼ねた彼女に少しあこがれを抱きつつ、彼女の笑顔にやや思うところがあった。
月下カオリ
マキに初めてできた本好きの少女……であったが、本性は殺しを楽しむサイコパスな少女。謎の黒い本が凶器。絡んできた賊を慣れた手つきで瀕死に追い込み、彼女を止めようとしたマキをも手にかけようとしたが、赤髪の忍に幻惑魔法をかけられ意識を失った。
〈物語の要約〉
赤髪の忍のもとで忍を目指すことにしたマキ。初仕事がいきなり死体の片付けという内容で早速翻弄されながらも何とかこなした。
胆が据わった一面を見せるマキだが、町に来ると興奮を隠しきれなかったり、夜の間出ていくと言っていた赤髪の忍が朝になっても戻ってこないことにひどく不安を覚えるなどの幼い一面も見せる。
赤髪の忍を探そうと歩いていたマキは、向かいから長身の武人が歩いてくることに気付く。彼女は以前武人に拐われかけた時の教訓を生かし、ギリギリまで警戒を怠らずにやり過ごすことに成功。その後赤髪の忍と再会でき安堵した。
二人は別の町を目指すことにしたが、その道中はマキにとって地獄のようなものだった。歩く行為が休憩とみなされ、度々訪れる稽古の時間。さらには次の町と謳いつつ、赤髪の忍が明らかに遠回りしていることに我慢できなくなったマキはついに感情を爆発させたが、赤髪の忍の態度と屁理屈とも取れる主張で丸め込まれた。
次の町に到着し、何となく散策していたマキは揉め事と思われる怒号を聞き、興味本位で赤髪の忍を連れて見に行くことにした。
人だかりから覗くと、「護身剣術道場」の前で武人らしき男達と女性が対峙していた。武人に一切ひるまない女性はあっさりと男達を制圧する。その女性:
赤髪の忍に言われ、少し時間をつぶすことになったマキ。木陰で休もうとした彼女はそこで本を読んでいる少女を見つけた。カオリという名の少女と意気投合し、楽しく談笑していたところで急に賊の男達に声を掛けられる。
抵抗のしようがなく絶体絶命のマキを救ったのはカオリだった。賊に黒い本を持たれた瞬間に豹変したカオリは、黒い本を奪い返すと一切の躊躇なくその本で賊の男を殴りつけた。男は鈍器で殴られたように一撃で意識を失う。もう一人の賊も成す術なく倒された。
カオリに救われたマキだが、彼女のあまりの変わり様に恐怖を抱く。辛うじて意識が戻った賊にカオリが止めを刺そうとするのをマキは止めるが、それにより今度はマキが標的にされる。
カオリに殺されると思ったところで赤髪の忍が現れ、幻惑魔法でカオリの動きを止めた。
マキはすぐに刀を抜こうとした赤髪の忍に、カオリを助けたいと伝える。しかし赤髪の忍から「どうすれば助けられるのか」を問われ、回答に詰まる。
暴れようとするカオリを幻惑魔法で眠らせた赤髪の忍は再びマキに問いかけるが、彼女は何も答えられなかった。
さらに赤髪の忍からカオリが殺人犯であることを告げられたマキは、きちんと罪を償ってもらうべきと考え、赤髪の忍の指示で場を離れることとし、カオリのことは近く来ているらしい警志隊に任せることにした。
助けるということの意味が分からないまま口走っていた浅はかさと自分の無力さを痛感したマキは、これから気を引き締めていきたいと心に誓った……はずだったが、より一層厳しくなった稽古に早くも決意を曲げたくなった。
第三章は三人称ベースで進めていきます!
バトルシーンに加え、新たなキャラとの絡みが出てきます。
赤髪の忍のルーツが少しだけ見えるかも。
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