第24話 打ち切りマンガですら無かった……
「どうやら間に合ったけど、間に合わなかったようだな」
ロウスァがゆがみが発生した空を見上げる。
「どういう事?」
「死者蘇生を止める事は間に合った、だけど禁忌を犯そうとした事が次元警察の本部に知られたという事だ」
「何か困った事でもあるのかい?」
「死者蘇生は止めたのだから、何も問題は無いのだろう?」
「いや、次元警察は改定された法律を無視して召喚士を殺害する事を決めた」
空に発生したゆがみから大量の銀色の円盤が出て来た。
あれは次元警察の宇宙船?
ロウスァが足を引きずりながら、次元警察の宇宙船が現れた方向に歩き始めた。
「どこに行くの?」
「あれを止める」
「貴方、怪我してるのよ」
「それでも、止めて見せる」
ロウスァが真剣な目をしている。
怪我をしているのに私を守ってくれるの?
「一人で行くなんて水臭いですよ」
「力なら魔王の出番だろう?」
アレクシスと
「貴様らは力を失っているだろう? 存在を維持するだけでも辛いはずだ」
「辛いくらいで屈してたら勇者は名乗れない!」
「力ならあるさ! 我は力の象徴、魔王だぞ!」
二人だって消えかかっているのに……どうして戦うの?
相手は空を埋め尽くす程の大量の宇宙船なのよ。
勝てるはずないのに……
「泣き言は言うなよ。相手は次元警察の全艦隊だ!」
「あんな莉子さんのパンケーキより出来が悪い円盤なんて……」
「楽勝だな!」
どういう事よ二人共!
気合を入れるのは良いけど、私のパンケーキと比較しないでよ!
「行くぞ!」
「最後まで莉子さんの為に!」
「これが我らのラストバトルだ!」
最後の戦いに向けて気持ちを一つにした3人の決意を、一筋の光が消し飛ばした。
光が空をなぞる度に、次々に落とされる次元警察の宇宙船。
あぁ、何もしていないのに、次元警察が壊滅していく……
「どこの誰か知らないけど、
振り返ると、ご近所の佐藤さん!?
えっと、その魔法少女の様な恰好は何ですか?!
「あら莉子ちゃん、黙っていたけど私、魔女だったのよ」
いや、魔女なら黒いローブとか着て下さいよ。
何で、白とピンク色でフリフリの少女服着てるんですか?!
しかも、魔法じゃないですよね。
花をモチーフにした魔法少女ステッキの先端が熱で赤くなり、煙が立ち上ってますけど!
更に佐藤さんが撃ち落とした宇宙船を、空に投げ返している人がいる。
鈴木さん、そのヒーロースーツは何ですか?
宇宙船って素手で投げ返せるんだね……
「隠してた訳じゃないけど、昔スーパーヒーローやっていたのよ」
何、その設定?!
一体何なのよぉぉぉぉぉっ!!!
そして、次元警察は僅か3分で、ご近所のおばちゃんの手によって壊滅した。
「俺たちの……」
「……戦いは……」
「……これまでだ!」
ロウスァとアレクシスと
打ち切りマンガのラストで「俺達の戦いはこれからだ!」とか言ったりするけど、これは酷いわね……
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