若くして亡くなった幼なじみ、生前は自分の主人でもあった青年フェルディナントの遺言により、豪華旅客鉄道での旅行に出る男のお話。
異国情緒あふれる旅路が魅力のボーイズラブです。
ファンタジー、といっては語弊がある(たぶん違うものをイメージされてしまう)のですけれど、架空の国や地域を舞台にした物語。地域性や時代感のほどよい飛距離というか、現実的な世界でありながら浸れる雰囲気が素敵でした。
印象深いのはやはりBL要素を含んだ恋愛模様。ネタバレになるので詳しくは触れませんが、第二話の(正確にはそこで提案されることの)絵面がもうとんでもないです。
状況が特殊すぎるっていうかもう目ん玉飛び出ちゃう……一応、きっちりツッコんではいるものの、最終的にはなんやかや受け入れてしまう主人公がもう本当に好きです。
もし自分だったらと思うとわからないけど、でもこいつならと思えばわかる感じ。彼らのキャラクターと関係性だからこその展開、と思えることの楽しみ。
豪華旅客鉄道の設定や食事の描写など、素敵な雰囲気がたっぷりの作品でした。