最終話:結婚
翌日から、ルクスはステラに付き添い、エラという名前の女性が住む家を片っ端からまわりました。
数日経って、ようやく探していた女性が見つかりました。ステラは彼女に正式に婚約を申し出、エラがそれを受け入れたところで、エトワールはステラと共に自身が同性愛者であることを貴族達の前で公にしました。そして、同性婚を法制化するための国民投票を行うことを議会で提案しました。一部の貴族の反対はありましたが、賛成多数で可決。
国民投票の結果も、賛成八割で可決されました。
今まで結婚を認められて居なかった同性同士のカップル達は次々と結婚式をあげ、しばらくの間、どこの結婚式場でも、毎日のように誰かを祝福する声が響きました。
ルクスとエトワールの婚約は国民からも祝福の声が多く上がりましたが、平民であるエラとステラの婚約に関しては快く思わない国民も多く、二人の結婚はすぐにとはいきませんでした。
「父上。私達の結婚はもう少し先送りにしてもよろしいでしょうか」
エトワールは、ステラと合同で挙式を上げるために、ルクスとの結婚を先送りにしたいと国王に申し出、国王もそれを受け入れました。
「すまないなルクス。俺のわがままで」
「いえ。俺も同じ気持ちです。俺と王子が婚約出来たのはステラ王女のおかげなので」
「私、ステラ王女に見合う女性になれるように頑張りますね」
「おう。応援してる」
エラは王女に見合う女性になるために必死に努力を重ねました。その結果、世間は少しずつ二人の関係を受け入れるようになっていき、やがて、エラの存在が世間に認められ始めた頃、国王から結婚の許可がおりました。
エラとステラ、エトワールとルクスの二組の結婚式には国民全員が招待されました。もちろん、エラに魔法をかけて舞踏会に送り届けたという魔女もです。魔女にはステラが魔法の杖を振って呼び出し、直接招待状を渡しました。
「お会いできて光栄です。魔女様」
「いえ。それはこちらの台詞です。国王陛下。女王陛下。そして王族の方々。こうして直接結婚式の招待状を渡されるなんて、こんな光栄なことはございません。長生きしてみるものですなぁ」
こうして、エトワール王子は王国騎士であるルクスと、ステラ王女はエラという平民の女性とそれぞれ正式に結婚し、王宮で幸せに暮らしましたとさ。めでたしめでたし。
Shall we dance? 三郎 @sabu_saburou
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
同じコレクションの次の小説
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます