第7話 sideエリーゼ
「ありがとぉエグモン。んふふ前からこの最新の素材で作られたドレスが欲しかったのよね~」
「気に入ってくれたかい僕のメロ……いや愛しいエリーゼ」
「メロ? まあいいわ。勿論愛しているわよマイダーリン」
「だったらエリー、その、これから……だね。是非ともこの甘い気分の間に隣の部屋へと、ぼ、僕はもっとエリー君とだね、お互いをそのもっと深く知り合いたいと思うのだよ」
その言葉と共にエグモンドのそこはチェリーボーイ君らしくおずおずとややぎこちなさは否めない。
じわじわじっとりねっとりとした手で以って――――ってエグモンの手汗感が半端ないと言うかよ。
折角購入したばかりのドレスが汚れるじゃん!!
なのに全然スマートでなく私の腰をゆっくりとホールドすればそのままなし崩し的に寝台へダイブ――――ってさせる訳ないでしょ。
抑々そう簡単に抱かせやしないって言うの!!
「あ、そうだったわ。そろそろ晩餐でしょ。ほらヤスミーンと仲良く食事にしましょうよ」
「う、うんそうだ……ね」
あからさまに残念そうな表情。
全く仕方がないわね。
「ほらぁそんなふくれっ面はエグモンに似合わないわ」
そう言って私はさらりと彼の手を躱せばだ。
立ち上がる際に彼の頬へリップサービスとばかりに軽くキスをする。
勿論部屋へ帰れば
んふふ、これでも私は処女なのだもの。
前世では兎に角いい男と見つければ身分を問わず直ぐに関係を持ちまくっていたわね。
そこに相手の背景何て私には関係ない。
抑々相手に妻や婚約者がいようがいまいともどうでも良かった。
ただ好みの顔と体型を持つ男とのセックスをするのはとても気持ちのいい事。
その気持ちのいい事をした事により
気前のいい相手はそれなりに問題の発生しない程度の長い期間のお付き合い。
でも私を満足させる事なく、チップも何もなしの甲斐性なし男は一度ポッキリでお別れだ。
そんな彼らの中でエグモンはその何れにも属さない。
従兄で幼馴染と言う関係は切ろうと思っても中々切れるものではない。
何より誰よりも私と言う人間を一番理解してくれたのはエグモンだけ。
きっと本当に愛してくれたのも……ね。
だから私達は親兄弟に隠れて関係を持ったわ。
んー初めては11歳だったかしら。
ほら私ってば年齢よりも身体の成長が人より早かったのね。
そして子供はとても好奇心が旺盛なの。
初めての時は痛いって皆から聞いていたけれどもよ。
その初めてを愛するエグモンに処女を捧げ……ってそんな大袈裟なものじゃないわ。
どうでもよかったのよ。
ただものは試してって感じでやった結果……全く痛くはなかった。
勿論少し出血はしたわよ。
でも吃驚する程ではない。
ただ初めての割にはちょっと物足りなさを感じたのよね。
だから他の男でつまみ食いをした結果――――エドモンの一物にがっかりしたわぁ。
正直に言ってないなって思った。
それと同時にもしかするとこの男の一物が異常なのかと確認の意味もあって追加でちょいちょいとつまみ食いをした結果ね。
やっぱりエドモンのモノは粗〇〇である事が決定した。
前世の男遍歴はそれが始まりと言ってもいいわ。
それでもエグモンは何時でも私に優しい。
ヤスミーンと婚約しても私の好きなものは何でも買ってくれたし我儘も聞いてくれたわ。
粗〇〇だけれど行為そのものは何時も優しいの。
だから私はエグモンから離れなかった。
ううん離れられなかった。
でもそれもこれもカルステン、彼と出逢う前までの事。
前世ではカルステンへ想いを伝える事や振り向かせる事も出来なかった。
だけど今回は違うの!!
何の為に人生をやり直しているのかなんて難しい事は何一つわからない。
それでもよ。
今度は、今度こそ私は王子様のお妃になってみせるの。
ううん、お妃でなくても愛妾や恋人でもいい。
もうあの時の様に見下された視線なんて絶対にさせないしさせて堪るものですか。
そうよカルステンの隣で微笑むのはヤスミーンではなくこの私!!
以前王族は純潔に重きを置くって聞いた事があったの。
だから今の私の身体はまっさらさら。
何処からどう見ても立派な処女。
この身体を最初に見せるのはカルステン第二王子!!
正直に言って今生でのエグモンには悪いなってほんの少しは思うのよ。
前世の様に関係を持っていないと言うのにそれでも何だかんだと尽くしてくれるのですもん。
ああ美人って罪な生き物よね。
あ、待ってエグモンは諦めずに虎視眈々……あーあからさまな感じで身体の触れ合いを持ちたがっている。
でも私はこのまま純潔を貫く心算。
そしてヤスミーンは私とカルステンとの関係にとって邪魔な存在。
然も彼女こそが正式なエグモンの婚約者。
このまま何も問題がなければ二人は近い将来結婚予定……だとすればよ。
ヤスミーンとエグモンをくっつければいいじゃない。
そうよ、何でこんな事に気付かなかったんだろう。
エグモンを
間もなく登場するだろうカルステンには私がいる!!
ヤスミーンがごねる様ならば媚薬を盛ればいいだけ。
エグモンの欲望が満たされればこれよりももっと私へ貢いでくれるわ。
そう王宮へ出向いてもいい高級なドレスや宝飾品を……ね。
だって私は愛のキューピットなんだもん。
まあ本来ならばこの屋敷からも二人の邪魔にならない様に出ていかなければいけない所だけどぉ、でもそうするとカルステンとは出逢えなくなるからぁ、それに実家と比べればここは天国そのものだものね。
と言う訳で出て行ける筈がないじゃない。
まあそれもカルステンが私の身体に惚れ込むまでの事よ。
それまでの間私の物欲を程々に満たしてねエグモン。
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