第66話 結構前から言われている機械のアレ
機械のアレとは『AI』のことですね。
今回のお話はちょっと長くなるかもしれません。面倒くさいことを言っているターンです。気分を害される可能性があります。心して覗いて下さい。
……前々から創作界隈でその件についての賛否両論が噴き出しておりましたが、こちらの近況ノートでもその件について若干の否定寄り意見を目にしましたので、文も書けば絵も描く私もちょっと自らの考えをとっ散らかそうかなと。
やっぱりこれも時代なのかなと思います。
人が造り出す技術というものはどんどん進化していっていますし、今を生きる私達はこんなに便利があちこちに広がっている世界でそれを享受して生活をしております。
それらがいきなり取り上げられれば、
ネット依存症という言葉も人が患う病気としてカテゴライズしているくらいですので。
創作界隈で何故『AI』が賛否両論の渦を作り出しているのかと言うと、それで商用利用して自らの利益を得るということが問題視されているからです。
「それに何の問題があるの?」
そう仰られる方もおられるでしょう。これで問題になっているのは文というより、大体が絵の方なんですよね。
『AIイラスト』と言うのは、AIに自分の好みのイラストや画像を学習させて描いてもらうイラストのことです。そう、作成する前に元となるイラストがある訳ですね。
まあトレス(同じ構図、またはイラスト自体を上からなぞって描くこと。パクリとも言われる)が著作権の関係で問題となり炎上することも多々ありますが、似たような感じです。
自分が何もない状態で一からポーズを決めて線を描いて色を塗って、ということをするでもなく、それらをすべて機械にやってもらうということですから。
まあこんな言い方をしているので、私はどちらかと言うとこれに対して否定思考寄りです。ズバッと言っていくタイプです。
最初に『AIイラスト』というシステムを創った方がどういう思想でこの技術を生み出したかは知りませんが、確かにそれはすごいことだと思います。
「あの人みたいな素敵な絵を描いてみたい」
絵なんて上手い下手は見る人の価値観・感性によるもので、絶対にそうと決めつけるようなものではありません。
その人の感性が表れた素敵な作品なのですから。自分が一生懸命に描いたものなのですから。
「何これ下手くそ」とか思われたとしてもそれも評価の一つではありますが、作品自体を貶される筋合いはないと思います。私はね。
定められた価値観に嵌められて、新たな芸術が生み出される訳がありませんので。
ですが人には得手不得手というものがあります。自分の思いを上手く表現することができず、絵を描くことが苦手な方もいらっしゃいます。
そんな人達のために、想像を具現化する手助けをするためにできたシステムが、『AIイラスト』であれば良いなと思います。
そういう目的ならばとても素敵なことなので、手放しでその技術の進化を受け入れられます。
ですがそれが商用利用されるとなると、私も首を傾げるしかありません。
言っていることが矛盾しているかも知れませんが、機械に学習させるイラスト。その元となるイラストは誰かが頑張って描いた作品です。その人にしか生み出せない財産なんです。
……本当すこぶる口の悪い言い方をしますが、誰かが時間をかけて練習し努力して得たものを機械に学習させて描かせただけなのに、それを自分がさも努力したかのように「これは自分が描いたイラストです!」って発言してお金を稼ごうとか考える人、どうなんですかね?ってことです。
金銭が絡まない場合でも、「AIで描いたイラストです」って明かさずに発表しているだけでも、一定数の絵師さんは不快感を抱いているのが現状です。
トレスしている訳じゃないので著作権の侵害にはあたらないそうですが、私はそういうことをされると初めに描いた人の努力がないもの扱いされているように感じて嫌いです。個人の意見です。
あと『AIイラスト』で懸念されていることとして、今後さらにこの技術が進化すれば、イラストレーターの仕事が失われるかもしれないという点です。企業さんも同じような『物』なら、お金をかけないで得られる方が良いと考えるところが大多数でしょう。
プラスよりもマイナスに感じる方が、大きく感情の割合を占めているんですよね。
だから描く側の立場として見ているので、どうしても私個人としては受け付けることができません。
私は書くにしても描くにしても流行りに乗ることはあるかもしれませんが、ちゃんと自分で書く・描きます。あ、フリーでお借りすることはあります。
ですがそのままの形をパクる・トレスして出すなんて絶対やりません。だって創作する人間として私自身が面白くないから。
文の方だって、自分で考えて文章に起こして一つの作品にするから面白いんじゃありませんか。
あと小説を書くことは知識を文字にして表現すると言っても過言ではないと思うので、書いている途中で知識が足りずに「あれっ?」ってなって調べたりしますけど、そういうことも自分の知的財産になると思うんですよね。
だから、「AIに書いてもらった小説……? うーん何それぇ……?」となってます。まあ『AI小説』の作品を実際に読んだことはないので、これに関してはまだ何も意見は言えない立場です……。
ですが創作界隈にしても何にしても人工知能が進化した結果、人が人工知能に頼って努力しなくなったりする未来は嫌ですね。
最近遊んだゲームソフトで、人間が人工知能に頼らざるをえなくなった世界で自分たちの種が絶滅しないために、人工知能に管理されて生活しているって設定だったんですよね。何かこっちも将来的にそうなりそうな予感……。
絵もAI、小説もAI、将棋もAI。
だったら自分たちの生活も全部AI頼りになってもおかしくないと思いますけどね。個人の意見です。システムを造られた方々に対しては大変申し訳ない考えを抱いていると思います。
あーほら、面倒くさいことばっかり言ってるじゃないですか……。一部壮大な話になっちゃったし……。
……外でああいう意見を目にすると、自分はこう思うって吐き出したくなるのは人間の性でしょうか? 私だけ?
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