6
翌朝。
一人で暮らすには少しだけ広いワンルームの自宅で朝食を取っていた
昨夜の女性を置き去りにした事に、少なからず罪悪感があった
何かと転校することが多い為、荷物があまりない殺風景な部屋の中で朝食用に焼いたトーストを食べ終える。
今日は土曜日で学校は休みだが、
スマートフォンに表示されている地図を頼りに
通常ならば知り得ない
それは別に
端的に説明するならば、
(文明の利器っていうには少し語弊があるんだよなぁ……)
そんなことを考えていた
ちょうど前方から
学校が休みにもかかわらず、
はやる気持ちを抑えながら、
「こんにちは、
「……転校生だっけ?」
「そう。
転校生であるということだけでも覚えていてくれたことに安堵しながら、
訝しげな顔をしながらも、教室でのように拒絶することはしないようだ。
そう、何故なら
回りくどいことを言って再び
「昨日の夜、商店街にいたよね?」
「何のこと?」
さすがの
それでも確かめなければならないことがあった。
「俺、見たんだよ。
「人違いでしょ」
「そうかな? あぁ、そういえばその子、左腕に黒い靄がまとわりついてたんだよね」
もちろん、黒い靄の話はでたらめだ。そんなものを昨夜の
だが、
「俺なら助けられるかもしれない」
言葉とは裏腹に自信に満ち溢れた
しかしすぐに視線は自身の足元へと向かい、隠すように左腕を抱え込む。
「……放っておいて」
「嫌だと言ったら?」
「もうこれ以上、誰も巻き込みたくないの!!」
再び顔を上げた
涙をこぼしながら、つらくてたまらないといった表情で
今度はさすがに
代わりに心の中で一つ決意をする。
(俺が必ず助けるよ、
自分自身に誓いを立てて、
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